新潟県内の医療体制に関する複数の課題を提起しました。魚沼基幹病院と南魚沼市民病院の循環器内科診療再開と24時間救急対応の不足に関して、地域医療政策課長は、医師確保に関する困難さを説明し、診療体制の拡充については圏域内での受入割合が増加していることを述べました。また、十日町地域の産科の状況について質問し、地域医療政策課長は、分娩機能を市内の診療所に集約する計画を明らかにしました。さらに、看護師の確保や県央基幹病院の診療体制に関する懸念を表明し、地域医療政策課長は、対応策について説明しました。新潟労災病院の閉院に関連して、その有効活用について問い合わせ、地域医療政策課長は、再編集約による医療機能の回復と維持を目指す方針を示しました。また、上越地域医療センター病院の体制や看護大学の役割についても言及し、医療人材確保の必要性を指摘しました。最後に、水俣病被害者の救済と原発総括報告書の内容について質問し、生活衛生課長と健康づくり支援課長がそれぞれ回答しました。また、報告書の内容に偏りがないか懸念を表明し、完全な情報提供の重要性を強調しました。●牧田魚沼基幹病院と南魚沼市民病院の循環器内科の診療が再開されましたが、どちらの病院も24時間の救急対応がされていないという状況にあります。地域医療構想の調整会議をきちんと機能させていれば救急対応も可能だったのではないかと思っております。この調整会議がきちんと機能を果たしているのかお聞きしたいと思います。◆地域医療政策課長循環器系疾患の診療体制の確保が魚沼圏域における大きな課題であることは従来から地域医療構想調整会議で共有されていて、魚沼基幹病院と南魚沼市民病院がそれぞれ別個に課題解決に取り組んだ結果として、異なる大学からの医師確保に至ったものですが、個別の診療科において新たに医師を確保できるかどうかは医師の人事に関することでもございまして、各大学医局の判断に委ねられていることから、事前に調整会議の議論によって集約がかかることは困難であったと考えております。いずれも、診療体制拡充前の令和3年度に比べて圏域内での受入割合は増加をしているところです。今後、魚沼圏域での循環器系疾患の受入水準はさらに高めていく必要がありますし、調整会議などの場も活用しながら、関係者間で検討や調整を重ねていけるよう、県としても支援をしてまいります。●牧田十日町地域の産科の関係、来年の3月で分娩を休止ということでありますが、それ以降、出産の状況、県立十日町病院では年間100件くらいの実績があると思うのですが、4月以降、地域の中で民間病院が一つになるということになりますが、対応できるのかどうか、状況をお聞きしたいと思います。◆地域医療政策課長現在、県立十日町病院と民間の診療所の二つの医療機関で十日町地域全体で年間約300件の分娩に対応しているところです。十日町病院では常勤の産科医が1名のみとなっている中で、医師の働き方改革への対応も必要になっている状況です。新潟大学も含めた関係者で協議をして、市内で分娩が可能な体制を維持できるよう、来年度以降、分娩取扱件数が十日町病院の約2倍の200件程度ある市内の診療所に分娩機能を集約することが合意されました。今後の対応ですが、十日町地域の今後の周産期医療体制につきましては、ハイリスク分娩に対応する魚沼基幹病院、ローリスク分娩に対応する十日町市内の診療所、妊婦検診については引き続き県立十日町病院で対応いたします。分娩のリスクに応じて適切にそれらの医療機関が役割分担と連携を行う体制に構築して、地域の周産期医療体制が維持されるものと考えております。●牧田産婦人科医の医師が全国的にもそうですし、新潟も当然少ない中でありますので、先ほどあった確保策のさらなる取組をぜひお願いしたいです。次に、県央基幹病院の診療体制についてですが、予約を取るのがどうしたらいいかということで、病院もですが、患者さんも4月以降どうなるのかと非常に心配をされております。12月議会という話もありましたが、なるべく早く明らかになるように努力していただきたいと思います。◆地域医療政策課長基本的には22科を基本として検討しているということで、それぞれの医療機関の役割分担等につきましては、今月、もうすでに始まっているかもしれませんが、地域の5市町村の住民の皆様全戸に対しまして、医療機関へのかかり方ですとか役割分担、といったことをお知らせするリーフレットを全戸配布いたします。●牧田スタッフの関係で、看護師について、400名以上が確保されているということだったのですけれど、産休、育休で多分100人近くのかたがいらっしゃるというか、400人いても出勤できる人がもっと少なくなると思うのですが、そういうことも含めて、十分確保できているということでよろしいでしょうか。◆地域医療政策課長本会議でも400名以上すでに確保ができたということで答弁をさせていただいておりますが、やはり、出産による産休、育休ですとか、あるいは家庭の事情等によって勤務につけないような状況も想定した中で、人員の体制は作っていかなければならないということで、今、その400名以上という以上のレベルをどのくらい上積みできるか最大限の努力をしているところでございます。●牧田労災病院を閉院という方向性で向かっているということで、立地を考えますと、直江津駅から歩いて行けることとか、地域的なバランスが必要かどうかというのもあるかもしれませんが、この病院を有効活用できないのか、ということも考えられるかと思います。リハビリとか回復期の機能をそこに残していくというのも一つかと思います。そういったことが考えられないのかぜひお伺いしたいと思います。◆地域医療政策課長新潟労災病院につきましては、高度専門的な医療として、主に整形外科を中心とした手術を行っておりますほか、入院や外来の機能を地域の中で担っているという状況です。新潟労災病院の医療機能は全般的に低下をしておりますが、低下した医療機能の回復、維持を図るよりも、グランドデザインの思想によって、思想に基づいて再編、集約という形で圏域全体で対応することが適当であるということで、6月の調整会議でも合意が行われました。新潟労災病院の手術及び入院機能については医療機能の高い他の医療機関への集約、再編により地域全体で回復、維持を図ることができるよう、引き続き検討をすすめてまいりたいと考えております。医療機能については入院もありますし、外来もございます。外来の機能につきましては直江津地区の住民の皆様の交通の利便性も考慮しながら検討を進めていく必要があると考えております。●牧田上越地域医療センター病院が、労災病院の分をすべて受けられるかというのは、ちょっと難しいかもしれないという話もありました。そういう面では全体の中で考えていく中での一つの方法かなとも思っております。上越地域においては、現状、医療人材が地域の中で全体的にも不足しております。県立病院だけとっても、県全体での人事異動によって何とか人材が確保されています。今後、地域で完結するような形ということになると、さらに難しくなるのではないかと考えております。魚沼の例をとればわかるかと思いますが、8年経っても人材が埋まっていない状況もあるわけで、この、県のネットワークを外したことがどうなのかなと思っているところです。上越、県立で言うと、地域枠を作って看護師を募集していますが、今の状況を考えると、県全体の異動も含めたネットワークを有効に使っていくことが必要だと思っていますが、そこの点についてはいかがでしょうか。◆地域医療政策課長人材確保については、短期と中期で分けて検討するべきと考えています。短期につきましては、新潟労災病院職員の意向にできる限り寄り添いながら、新潟労災病院から他の医療機関に移行する機能の内容に応じた人材移行ができるよう、人材移行の仕組みについても検討を進めているところです。中期の再編ですが、医療人材にとって魅力的な環境をいかに地域で、あるいはそれぞれの病院で用意をし、いかに上越地域の外から医療人材を獲得できるかがカギになってくるものと考えております。上越圏域については、県立の看護大学がございます。環境が、養成機関の整備としても整っているという状況もございますので、そのアドバンテージをいかに各病院が活かしていくか、非常に重要ではないかと考えているところです。医療人材にとっても魅力となる、持続可能で質の高い医療提供体制を構築して、将来に向けて必要な医療をしっかり残すことができるように、さらに検討を進めてまいります。●牧田看護大は県外から来られている方も相当数いらっしゃいまして、新潟に残ってもらえれば一番いいと思うのですが、なかなか難しい面もあると思っています。魅力ある病院にしていくのは必要だと思いますが、魚沼のときもそう言っていたと思うのですが、それだけでなかなか人が集まるのかということもあるかと思います。やっぱりネットワークはある程度必要ではないかと思っていますので、お願いしたいと思います。●牧田水俣病被害者の救済について伺いたいと思います。ノーモア水俣新潟第二次訴訟が10月19日に結審をしまして、来年春の判決が予想されています。原告の方たちは非常に高齢となりまして、一刻の猶予もないと考えています。県ではこの間、水俣病被害者の早期救済や患者救済の枠組みを見直して、被害時の声を上げることができる環境の整備の一層の推進について、国に対して要望してきているものと認識しておりますが、現状、国の回答を含めて、どのようになっているかお伺いしたいと思います。◆生活衛生課長県では、水俣病被害者の早期救済のためには、救済制度の抜本的な見直しなどが必要であると考え、毎年、国に対して要望してまいりました。現在、国においては、MRI等を活用した客観的評価の研究を進めるとともに、本年6月には現行調査のあり方に関する研究を開始するなど、被害者救済についての取組がなされています。被害の声を上げることができる環境の整備については、国からの支援を受けて、県では、地域の偏見、差別の解消のため、新潟水俣病の教訓を伝える環境学習や地域の人々との話し合いなどのさまざまなプロジェクトを展開してきたところです。今年度は、国からの補助金の拡充を得て、新潟水俣病の歴史と教訓を伝える式典を開催したところです。今後も機会を捉え、水俣病の被害者の救済について、引き続き国に要望してまいりたいと考えております。●牧田原発の総括の報告書について、福島事故を小さく見せるようなバイアスがかかっていないかということであります。事故後に甲状腺集団スクリーニングの実施は推奨しないというふうに書かれておりますが、健康分科会の報告書には、事故後、リスクの高い個人に対して長期の甲状腺モニタリング提供を検討しなさいというのがあります。集団のほうは、リスクがあるかもしれないけど、個人のスクリーニングの検査は必要だというふうに思います。ここ一点しか書いていなかったということで、これは客観的ではないと思いますし、何点かそういった記述になっております。敢えてこういう記載にしたというのが、意図があったかないのかわかりませんが、どうしてこういう記述になったか教えていただきたいと思います。◆健康づくり支援課長総括報告書は、県に提出いただいた合計500ページを超える四つの報告書を県民の皆様にできるだけわかりやすく説明するために、用語の解釈や図表を加えるとともに、偏った内容の記載とならないことを前提に、90ページ程度までに要約したものであり、健康への影響に関する部分についても同様に作成したものです。IARC、国際がん研究機関の二つの提言ですが、総括報告書には提言一項目の記載となっておりますが、健康分科会本体の報告書には、二つの提言を引用して二つとも掲載をしているところです。このように要約をして数ページにまとめて作成しておりますことから、特別な意図をもってまとめたものではないということを申し上げたいと思います。●牧田分かりやすくということと偏らないようにということですけれども、それは当然なのですが、本体のほうで、総括報告書には二つ列記されているものを片方だけ載せるということは、やはり偏っていると思うので、両方載せないのであれば、それはそういうこともあるかもしれませんが、そういう箇所が何箇所かあるので、それは問題があるのではないかということを指摘して質問を終わりたいと思います。