今回の質疑では、柏崎刈羽原発の再稼働を巡り、東京電力の安全姿勢と事業者としての適格性、そして国の責任を正面から問いただしました。地下式フィルターベントについてこれは2013年、当時の泉田知事と東京電力の広瀬社長との間で「設置する」と約束されたものです。特定重大事故等対処施設(特重施設)となり設置に猶予期間が設けられたとしても、この約束が失効したとは私は考えていません。安全最優先を掲げるのであれば、地下式フィルターベントが完成するまで再稼働すべきではありません。東京電力は「代替設備で安全は確保できる」と説明しましたが、業界団体が特重施設の設置期限延長を要望している現実を見ると、安全より経済性を優先しているのではないかという疑念を強く持たざるを得ません。東京電力の適格性について2015年、東電と国は福島県漁連に対し、「関係者の理解なしにはALPS処理水の処分は行わない」と明確に約束しました。しかし2023年、その合意がないまま海洋放出が強行されました。説明を重ねたから約束を果たした、という話にはなりません。実際、全国の漁業団体、福島県内の多くの自治体議会が反対や慎重対応を求めていました。海洋放出後、中国や香港による日本産水産物の輸入停止が起こり、ホタテなどは行き場を失い、国内価格も大きく下落しました。これが「理解を得た結果」だとは到底言えません。さらに、福島第一原発では現在も、労災隠し、被ばく線量の過小公表、作業員死亡事案における情報非開示など、不祥事と情報隠蔽が続いています。原子力規制庁は「現時点で適格性に問題はない」と答えましたが、私はそうは思いません。承知した上で被ばく線量を低く説明していたことは、単なるミスではなく、明確な情報操作です。こうした体質が改まらないまま、同じ東京電力が柏崎刈羽原発を動かすことに強い危機感を抱いています。県民意識調査では、69%が「東京電力による運転は心配だ」と回答しています。これは偶然でも感情論でもなく、これまでの行動の積み重ねによる結果です。資源エネルギー庁は「東電の信頼確保に政府として関与する」と述べましたが、「魂をこれから入れる」という段階で再稼働を進めることは到底認められません。新潟県民が求めているのは、お金や補助金ではありません。安全に、普通に暮らせる日常です。福島で約束を守れなかった国と東京電力が、新潟で約束を守れると、どうして信じられるでしょうか。私は、柏崎刈羽原発は再稼働ではなく、廃炉に向けた工程へ進むべきだと考えています。新潟の未来のために、原発に依存しない選択を、今こそ真剣に考えるべきだと、改めて強く訴えました。●牧田未来にいがたの牧田正樹です。よろしくお願いします。時間がないので、端的にお答えいただければと思います。1点めは、地下式フィルターベントについて、東京電力にお聞きします。地下式フィルターベントは2013年当時の泉田知事と東京電力の広瀬社長が設置の約束をしたものです。その後、特重施設となりまして、設置について5年間の猶予ができておりますが、まだこの泉田知事との約束は生きているものと考えております。東京電力さん、安全最優先ということで言っておりますので、この県と約束した地下式フィルターベントについては完成するまでは再稼働すべきではないと考えますが、伺います。●小早川智明東京電力ホールディングス株式会社社長御質問にお答えいたします。放射性物質の拡散抑制対策につきましては、原子炉の損傷に至るといった場合でも、代替循環冷却設備による放射性物質の放出を約十日間回避することができます。代替循環冷却系と地上式フィルターベントを組み合わせることによって、当初計画していた地上式フィルターベントと地下式フィルターベントの組み合わせに比べて被曝量の低減。避難に要する時間猶予の確保。土壌汚染のさらなる低減の効果が期待できることから、再稼働の準備は整っているものと考えております。なお、地下式フィルターベントにつきましては、特定重大事故等対処施設として設置することで進めさせていただいており、新潟県技術委員会においても同様の御説明をさせていただきました。私からは以上でございます。●牧田正樹委員特重施設になっても、知事との約束があると思いますので、多くの県民がそれが出来るまではやはり再稼働をすべきではないと考えている人もおります。去る10月9日、最近ですけれども、電力会社や原子炉メーカーなどで組織する原子力エネルギー協議会。これ東京電力さんも主要な一員になっていると思いますが、特重施設の設置期限をさらに3年延ばすよう規制委員会に要望したという報道がありました。改めてこういうことを考えると、安全最優先ではなくて経済最優先だなというふうに指摘をしておきたいと思います。答弁はけっこうです。続きまして、東京電力の適格性について3点お伺いします。2015年東電及び政府は福島県漁業協同組合連合会、県漁連に対しまして、アルプス処理汚染水に関して関係者の理解なしにはいかなる処分も行わないと約束していました。にもかかわらず、県漁連の合意のないまま2023年海洋放出を強行しました。なぜ約束を守らなかったのか、東京電力にお聞きします。●小早川智明東京電力ホールディングス株式会社社長御質問にお答えいたします。アルプス処理水の海洋放出につきましては、政府が基本方針を決定して以降、行動計画に基づき安全性の確保と風評対策の徹底に向けた取組を進め、関係者とも説明対応を重ねてまいりました。また、アルプス処理水の海洋放出を開始するに当たり、福島県漁連の野崎会長からは約束は現時点では果たされていないが破られたとは考えない。子々孫々の代に廃炉の完遂と漁業の存続が確認されて初めて理解と了承ができるとのお話があったと承知しており、当社としてもこの言葉を非常に重く受け止めております。こうした声も踏まえて、当社としては風評を生じさせないとの強い覚悟のもと、長期にわたる放出期間を通じて、引き続き設備運用の安全、品質の確保、迅速なモニタリングや正確で分かりやすい情報発信などに全力で取り組んでいるところでございます。私からは以上でございます。●牧田正樹委員説明会をやったらいいということではやっぱりないと思います。このあとも海洋放出前もそうですけれども、全漁連そして福島、宮城、茨城の県漁連も強く反対の声を上げていました。また、福島県では県議会と市町村の7割に当たる42議会で放出反対や慎重な対応を求める意見書を可決しています。海洋放出後は中国や香港など、日本産の水産物の輸入を全面禁止。そのために大量に輸出していたホタテやナマコ、アワビなどは行き場を失い、国内では価格が下落し大混乱になりました。あと、この処理水と言っていますけれど汚染水、アルプスで処理しても71パーセントにはセシウムやストロンチウム、コバルトなど60種類以上の放射性物質が基準値以上の濃度で含まれています。トリチウムは胎児の細胞が汚染され、早産、流産やさまざまな先天異常が起こります。海洋放出は30年以上続くと言われ、地球全体を汚染することになると思います。こういったことで、約束は守られていないというふうに県漁連の会長も言っていたということですので、そういうことなんだろうというふうに思います。それから、2点めですが、最近だけでもこれ福島原発ですけれども、下記のような不祥事、事故が起きています。2024年7月18日、福島労働局富岡労基署が福島第一原発での労災隠しの書類送検を公表。三次受けの作業員の右足首骨折の労災隠しが、二次受けの現場監督が主導し、悪質性が高い労災隠しと労基署が判断した。さらに2024年12月3日には、作業員の被曝線量を会見では3分の1の数字を説明しております。そして、今年9月3日には40代男性作業員が作業終了から3時間後に意識を失い、搬送先の病院で死亡しました。その後の記者会見では、これまで公表していた被曝線量が公表されておりません。その理由は本人確認ができないからというふざけたような内容になっております。このように、現在も不祥事や情報の隠蔽(いんぺい)体質は変わっておらず、同じ東京電力が動かそうとしている柏崎刈羽原発を動かす適格性はないと考えますが、原子力規制庁の所見を伺います。●古金谷敏之原子力規制庁総括審議官お答え申し上げます。御指摘の事案につきまして、労災だったり、あるいは個人の病気ということで情報としては把握しておりますけれども、我々原子力事業所におきまして、ミスというもの、トラブルというものがゼロになるということはないというふうに認識しておりまして、こういったものが起きた際にそのあとどう対応をするのかというのが非常に大事だろうとういうふうに思っております。当然まず事業者がそれを発覚して再発防止対策を講じるということが重要でございますので、我々規制委員会としましても、こうした事業者の再発防止に対する取組というものがしっかりなされていくかということについては、しっかり監視してまいりたいということでございます。こうした監視をする中で、我々としてもその現時点で東京電力が原子力事業者としての適格性に関して問題あるというふうには特に認識してございません。しかしながら、こうしたことはいつ起こるか分かりませんので、我々としては引き続きしっかり監視をしてまいりたいというふうに考えております。以上でございます。●牧田正樹委員2番めの被曝線量を会見では3分の1の数字を説明したというのは、これはミスであればやむをえないと思いますけれども、そうではなくて、もう承知をしていて言っているということが明らかになっています。それはその後の会見の中で、記者会見と市民団体との交渉は違う。記者会見は後ろにいる市民に説明をしている。交渉は違うということで言っておりますけれども、どちらも市民や県民に記者を通じて説明しているわけですので、こういったことは本当に情報隠しだと思いますし、それから40代の男性が亡くなられた件についても、情報隠しと言わざるをえないというふうに思います。次に、3点め、これはエネルギー庁のほうに伺いたいと思いますが、県が行った県民意識調査では、東京電力が柏崎刈羽原発を運転することは心配だとの回答が69パーセントに上り、東電への不信感の根強さが示されております。花角知事は原子力規制委員会の東京電力の運転適格性がないとする理由はない。技術委員会の原子力規制委員会の判断を否定するものではないを引用しながらも、一方で、東京電力に対してこれまでもさまざまな指摘をされており、県民から厳しい視線が多く向けられていると受け止めている。東京電力には安全最優先の取組を行動と実績で示してもらいたいと議会でこの間何回も答弁をしているところであります。一つめとして、県民がこれだけ東京電力に対して不信感を持っていることに対する受け止めを長官に伺いたいと思います。●村瀬佳史資源エネルギー庁長官御指摘ありがとうございます。御質問にお答えさせていただきます。我々も県内30市町村で説明会、これはエネ庁の幹部をすべての説明会に派遣をして、直接お話もお伺いしましたし、県民の意識調査についても、中間報告ですけれども我々も見させていただいております。そうしたさまざまな皆様の御意見を我々なりにお伺いをする中で、やはり東京電力に対する心配、御懸念の声が強いという点については、我々としても重く受け止めておりますし、これは真摯に受け止めなければいけないというふうに考えてございます。そうした問題意識の中で、まさに我々も政府の中で総理までそうした状況を上げ、8月29日の関係閣僚会議では大きな三つの方針の中で、その内の一つは東京電力の信頼をもう一度覚悟を確立するための取組ということで、議論をしていた関係閣僚に議論をしていただき、必要な対応を検討いただきました。その中の取組の一つとして、政府もしっかり東電の信頼確保に関与していくんだということで、今回説明をさせていただく機会を持ちました監視チームというものを官房副長官ヘッドのもとで、政府としてもしっかり確立をして、皆様のそうした御不安にしっかり寄り添えるように、対応できるように最大限の体制を執っていこうとこういう総理からの御指示のもとで設立されたものでございます。魂を入れるのはこれからだと思いますけれども、東電の取組自体も今日の社長の説明にもありましたように、相当これまでと違って踏み込んだ外の血を入れる対応を進めてきているものと思いますけれども、それを政府としてしっかり監視をして、本当に魂がこもったものになっていくのか。これはエネルギー基本計画、閣議決定したものでも最初のところで、いちばん最初に書いてあるのは福島がエネルギー政策の原点であるということで、決して福島の事故を忘れないように安全最優先で引き続きしっかり取り組んでまいりたいというように考えてございます。●牧田正樹委員 魂をこれから入れるということですけれども、その魂が入って本当に不信感を払拭(ふっしょく)するまで議論は、再稼働はできないというふうに思っておりますので、そこのところを指摘しておきたいと思います。時間がなくなりました。今言ったように本当に労災隠しや被曝線量などの情報隠し、こういったことが現在も行われております。海洋放出も住民との約束さえ守らないという国や東電の姿勢が明らかになっています。福島で約束を守れないのにどうして新潟で県民と約束を守れるのでしょうか。先ほど 1,000億円の拠出の話もありましたが、新潟県民が求めているのはお金ではなく、安全に普通に暮らせる生活です。柏崎刈羽原発の廃炉です。それを決めれば。 (傍聴席から拍手)●牧田正樹委員 県議会ではもっと新潟県の発展と成長に向けた議論ができます。NHK取材班の話、ちょっと時間がないのでしませんが、当時の吉田所長が最悪の場合はこの東日本全部壊滅してしまう。東京を含めて 3,000万人が避難を強いられる。これは近藤俊介原子力委員会委員長によってシミュレーションされたものです。福島のような事故が絶対に起こらないという保障はありません。私たち県民が望んでいるのは自然豊かなこの新潟で普通に暮らすことです。国と東京電力には柏崎刈羽原発の再稼働をあきらめ、廃炉に向けた工程を進めていただくようにお願いして、私の質問を終わります。