新潟県議会での一般質問では、令和6年能登半島地震に関する被害と対応が議論されました。私は液状化現象による住宅被害や直江津港の復旧、津波避難時の交通渋滞、避難場所の冷暖房設備の導入などについて質問。知事は国への支援要望や復旧工事の進捗を説明し、津波避難の原則を再確認する必要性を強調しました。また、柏崎刈羽原子力発電所に関連する複合災害時の避難計画についても議論され、知事は原子力規制委員会と連携しながら適切な対応を進める意向を示しました。議会全体で、地震被害への迅速な対応と国との連携強化が重要視されました。%3Ciframe%20width%3D%22560%22%20height%3D%22315%22%20src%3D%22https%3A%2F%2Fwww.youtube.com%2Fembed%2FtJ2a-wzpqoM%3Fsi%3DlKPG7tKtJ3B2sXSr%22%20title%3D%22YouTube%20video%20player%22%20frameborder%3D%220%22%20allow%3D%22accelerometer%3B%20autoplay%3B%20clipboard-write%3B%20encrypted-media%3B%20gyroscope%3B%20picture-in-picture%3B%20web-share%22%20referrerpolicy%3D%22strict-origin-when-cross-origin%22%20allowfullscreen%3D%22%22%3E%3C%2Fiframe%3E能登半島地震について●牧田令和6年能登半島地震により新潟市西区を中心に液状化現象による住宅等への被害が広がっている。2016年の熊本地震でも液状化による被害が発生したが、熊本市は住民負担が生じない形で宅地液状化防止事業を実施している。県としても新潟市等と連携し、国に対して支援を強く求めていくべきと考えるが、知事の所見を伺う。●知事答弁牧田議員の一般質問にお答えします。まず初めに、宅地の液状化防止に対する国への支援要望についてでありますが、今回の地震では、新潟市をはじめ県内各地で液状化の影響により多数の宅地被害が発生し、県民生活に多大な影響が生じております。そのため、県では宅地の液状化による被害に対する支援として、熊本地震と同様に今後の地震による液状化等の被害の軽減に向けた対策について特段の配慮を行うよう、国へ緊急要望を行ったところであります。現在、市町村において、宅地被害の実態把握に努めているところであり、県といたしましては、宅地液状化防止事業の実施の有無を含めた市町村の考えが示された段階で、必要な対応を検討してまいります。●牧田直江津港におけるカーフェリーの運航再開に向けた港湾施設の復旧についてでありますが、ふ頭とカーフェリーをつなぐ可動橋や車両の通路などが被災したことから、現在、応急的な復旧工事を進めております。県といたしましては、引き続き3月29日の小木直江津航路の運航再開に間に合わせるべく、復旧工事に取り組んでまいります。●牧田上越地域の化学工場では、直江津港を利用して原材料の調達を行うところが多いが、今回の地震により、ふ頭が被害を受けたことから、その影響で、船混みや荷役の遅れが発生していると聞く。直江津港は本県にとって重要な港湾であり、港湾荷役を行う大型重機の稼働に支障がないように、早期の本復旧が求められる。また、ふ頭の復旧に必要となる財源については、使用料を値上げするのではなく、国の支援の拡充により進めるべきと考えるが、知事の所見を伺う。●知事答弁直江津港における港湾施設の早期復旧と国の支援についてでありますが、直江津港は、上越地域や長野県北部を背後圏とする物流拠点として重要な役割を担っていることから、早期に復旧を進める必要があると考えております。これまで、荷役が可能となるよう、国とともに優先度を考慮して応急復旧を行ってまいりましたが、引き続き、早期の本復旧に向け取組を進めてまいります。なお、荷役機械やふ頭用地等の港湾機能施設は、岸壁等と一体となって機能を発揮する施設ですが、災害復旧事業における国庫負担の対象外となっております。このため、多大な地方負担が発生することや、復旧費用を使用料に転嫁することは地域経済へ大きな影響を与えることから、国に財政支援を要望しているところです。●牧田今回の地震発生後、徒歩ではなく自家用車を利用して避難した人が多く、一部で渋滞が発生したと聞く。津波発生時の避難方法の課題に対する認識を伺うとともに、円滑に避難を進めるため今後どのように対策を講じていく方針か、知事の所見を伺う。●知事答弁津波発生時の避難の課題と対策についてでありますが、議員ご指摘のとおり、今回の津波発生時には、浸水想定区域外の住民が避難したことや、車による避難が多かったことなどにより、道路渋滞が発生したと聞いており、日頃からのハザードマップの確認や徒歩での避難など、津波避難の原則を改めて確認していただくことが課題であると認識しております。県といたしましては、今後円滑な避難を進めていくためには、市町村と連携して津波避難の原則を改めて住民に周知していくとともに、今回の事例も踏まえて、地域の実情に応じた避難方法等についても沿岸の市町村と検討を進めてまいります。●牧田令和6年能登半島地震のような厳冬期や猛暑期に、学校の体育館のように冷暖房設備がない場所へ避難することとなった場合、避難者が体調を崩す原因になると考えられる。県立高校の体育館において、冷暖房設備の導入を進めるとともに、避難者の避難先として、既に冷暖房設備の導入が進んでいる教室の活用も有効と考えるが、所見を伺う。●教育長答弁県立高校の体育館への冷暖房設備の整備等についてでありますが、体育館については、断熱性能を確保するための工事費が増嵩するなどの課題があり、現状では冷暖房設備の整備は進んでおりません。そのため、先般、国に対して財政支援の充実を要望したところですが、県立高校の体育館への冷暖房整備は、ランニングコスト等も考慮すると、相当ハードルの高い課題であると考えております。一方、学校施設は災害時に地域住民の避難所としての役割を担うことから、被災された方が不自由なく過ごせるよう、体育館だけではなく冷暖房設備が導入されている教室の活用についても柔軟に対応していきたいと考えております。●牧田上越市では津波により民家や浜茶屋等で被害が発生した。地震後、津波警報が発令されたが、県民は津波到達の実際の状況が分からなかったことから、県民が状況を把握できるよう津波に関する情報を充実させる上でも、津波観測計の増設について国に求めるべきと考えるが、知事の所見を伺う。●知事答弁津波観測計の増設についてでありますが、本県における津波観測計は、新潟市、柏崎市、佐渡市、粟島浦村の4箇所に設置されております。今回の能登半島地震による津波の発生を踏まえ、津波観測計の増設について気象庁に確認したところ、「今回の震源域周辺における津波観測体制については、強化の必要性も含めて検討する」との回答があったところです。県といたしましては、津波観測計の増設は今後の津波の検証等にも有効と考えられることから、国の動向を注視し、必要に応じて要望してまいります。柏崎刈羽原子力発電所について●牧田令和6年能登半島地震により、県内では北陸自動車道をはじめとする5つの高速道路が一時通行止めとなるとともに、国道8号は上越市茶屋ヶ原の土砂崩れにより約1か月にわたり不通となった。新潟市西区では液状化現象で道路が損壊し、自家用車での避難ができない地域もあるなど、地震時には自家用車での避難ができない状況が改めて明らかとなっている。地震と原発事故の複合災害が発生した場合、どのように避難すればよいのか、県が県民に対して具体的に示す必要があると考えるが、知事の所見を伺う。●知事答弁地震と原発事故の複合災害時の避難についてでありますが、国の方針では、避難を実施すべき場合であっても、安全に避難が実施できる準備が整うまで、国や地方公共団体の指示により屋内退避を行うものとされております。このため、屋内退避の指示のあった県民の皆様には、まずは屋内退避を実施していただきますが、家屋の倒壊等により自宅での屋内退避が困難な場合は、近隣の指定避難所等に避難し屋内退避を実施していただきます。その後、避難が実施できる準備が整った段階で、指示に従って避難していただきます。また、車等による避難が困難な場合に、県では、陸上自衛隊や海上保安庁等に船舶、ヘリコプター等の派遣要請を行うこととしており、それらを活用した住民避難訓練を実施しております。こうした原子力災害時の防護措置について、国や市町村と連携して広報・周知を行うとともに、住民参加による防災訓練等も通じて、理解の向上を図ってまいりたいと考えております。なお、能登半島地震で家屋の倒壊等により自宅に留まり続けることが困難となるケースが発生したことなどを踏まえ、今月9日、原子力規制庁に対し、原子力災害対策指針の見直しの議論をしていただくようお願いしました。原子力規制委員会では、今月14日に「原子力災害時の屋内退避に関する論点」が議論されており、指針の見直しについて、今後検討が進んでいくものと認識しております。●牧田令和6年能登半島地震で立ち上げられた、原子力規制委員会内閣府原子力事故合同警戒本部は、安定ヨウ素剤の備蓄場所の被災状況について、「情報なし」のまま解散に至った。その理由について、備蓄状況の確認は自治体に負担をかけるためと関係者が取材で答えているように、自治体職員は地震対応で手一杯となることを認めており、原発で重大事故が発生した際、本当に対応が取れるか疑間である。深層防護の第4層までに加え、第5層にあたる「実効性のある避難計画」についても、原子力規制委員会が責任を持って行うべきと考えるが、知事の所見を伺う。●知事答弁避難計画について原子力規制委員会が責任を持つべきとのご意見についてでありますが、現行の仕組みでは、県広域避難計画を含む地域の原子力災害時の対応については、総理大臣を議長とする原子力防災会議で了承を得ることとされております。県といたしましては、この仕組みの中で適切に対応してまいりたいと考えております。●牧田令和6年能登半島地震では、家屋の崩壊などで閉じ込められた被災者の救助は困難を極めた。地震と原発事故の複合災害が発生した場合、放射線量が上昇する中でも救助作業を進めるため、どのような対策を実施するのか、知事の所見を伺う。●知事答弁放射線量が上昇する中での被災者の救助作業についてでありますが、政府の原子力災害対策本部による指示儀調整の下で、自衛隊等の実動組織により実施するものとされております。●牧田現在の原子力災害対策指針では、避難準備区域(UPZ)における対応は「全面緊急事態で屋内退避を実施する」となっているが、令和6年能登半島地震により住宅の倒壊が相次ぎ、屋内退避ができない状態が発生した。原子力規制委員会の山中委員長は、指針の見直しについて論点整理を行うよう事務局に指示しているが、自然災害への対応は議論の対象外としており、知事が今月9日、片山原子力規制庁長官に、現実を踏まえた避難のあり方を議論すべきと要望したことと齟齬がある。県の広域避難計画は指針に基づいており、自然災害を考慮しない計画に意味はないと考えるが、知事の受け止めを伺う。また、少なくとも、指針の見直しが終わるまでは、柏崎刈羽原子力発電所の再稼働の判断は行うべきではないと考えるが、併せて知事の所見を伺う。●知事答弁県広域避難計画における自然災害の考慮と柏崎刈羽原子力発電所の再稼働の判断についてでありますが、県広域避難計画については、指針だけではなく、自然災害と原子力災害との複合災害への対応が示された国の防災基本計画等に基づいており、議員ご指摘の地震と原子力災害との複合災害にも対応しております。県といたしましては、引き続き、国、市町村、関係機関と連携し、複合災害を想定した様々な訓練を実施することによって、対応力のさらなる向上を図ってまいります。また、原子力規制委員会では、今月14日に「原子力災害時の屋内退避に関する論点」が議論されており、指針の見直しについて今後検討が進んでいくものと認識しております。県といたしましては、委員会での議論の詰果、指針の見直しがあれば、必要に応じて、計画を見直していくものと考えております。柏崎刈羽原子力発電所の再稼働の判断にあたっては、指針の見直しにかかる議論の推移を注視しながら、どこかの段階で判断するものと考えております。