ツキノワグマ対策に関する予算要望について新潟県では、ツキノワグマによる人身被害防止策として、令和2年度から「やぶ刈り払い」を実施しています。この取り組みは、クマが人里に近づくのを抑制する緩衝帯の整備を目的とし、一定の効果が確認されています。モデル事業として、上越市や長岡市などで実施された事例では、カメラによる監視でクマの出没が確認されず、その有効性が評価されています。一方、南魚沼市六日町地区のように、小学校周辺での実施例もあり、地域の安全確保に大きく貢献しています。しかし、事業はまだ限られた予算の中で行われており、市町村への2分の1補助を活用したものにとどまっています。私としては、この対策が「費用対効果」の観点からも有効であることを踏まえ、さらなる予算の拡充と対象地域の拡大を提案します。特に出没が多い地域でのモデル事業を増やし、地域の安全を確保するための対策を強化していくべきと考えています。人命第一の理念に基づき、県と市町村が協力して効果的な対策を推進していくことが重要です。●牧田私のほうからもツキノワグマの対策について、関連になるかと思いますが、1点だけお聞きしたいと思います。知事が今回の提出議案の説明の中でも触れられていました、やぶ刈り払い等地域環境整備事業、これもやられて3年めなんでしょうか、要綱ができて、今やられていると思うんですが、この実施状況とそれから、まだ始まったばっかということもあるかと思うんですが、効果等の総括というか評価、これについてお聞かせいただければと思います。●葉葺久尚環境対策課長やぶの刈り払いについてでありますが、県では、くまが大量に出没し人身被害が最も多かった令和2年度から、やぶ刈り払いに取り組んでおります。その実績ですが、県が直営で行ったものと、県が市町村に補助したものがございまして、令和2年度は5件、令和3年度は8件、令和4年度は7件、今年度は8件となっております。このほかに、市町村単独で行っているものや国が行っているものもございます。やぶ刈り払いの効果を検証するために、昨年度から上越市中郷区岡川地区の渋江川のわきでございますか、それと長岡市の栃尾地区の刈谷田川のわき、この2か所について、県とそれぞれの市と協力いたしまして、やぶ刈り払いを行いまして、カメラでくまの出没を監視していますけれども、これまでカメラにくまは写っていないため、くまの出没抑制にやぶ刈り払いが一定の効果があるものと考えております。また専門家からも、やぶ刈り払いによる人が住む地域とくまの住む地域との間にこういう緩衝帯の整備をするということは、くまの出没抑制に有効であって、昨年、県で策定しました基本方針の中でも、寄せつけない対策として、やぶ刈り払いが有効な手段として位置づけられております。引き続き、捕獲や、やぶ刈り払いなどの組み合わせをしまして、効果的なくまによる人身被害防止に取り組んでいきたいと考えてございます。●牧田ありがとうございました。すみません、令和2年からということで、承知していなくて申し訳なかったのですが、先ほども議論ありましたように、私も人命第一だというふうに思っていますが、なるべく鳥獣との衝突を避ける、そういった対策も執っていくべきではないかというふうに思っています。費用対効果の問題もあるのですが、今、お話ありましたように、刈り払いしたところでカメラの設置をして、一定の効果があったのではないかというお話がありました。私はちょっと上越のほうで資料を頂いて、今年度ですと南魚沼市六日町地区で面積が非常に大きくやられていまして、正確かどうか分からないのですが、今年度に入って 2.3ヘクタール、全体で刈り払いをやられているのですけれども、六日町地区で 1.7ヘクタールですか、大半がこの地域、面積的にはなっていまして、ちょっと聞いたんですけれども、六日町の小学校で昨年、小学校の近くに出没しまして、魚野川の河川の中を、河川敷を刈り払いをしたということで、面積が大きくなったということで聞いております。いろいろな地域でやられているわけですけれども、県の事業で市町村等がやった場合は2分の1の補助ではないかというふうに思いますが、今、お聞きして、モデル的に三条や上越でやられているということでしたので、私もその話をしようと思っていたのですけれども、ぜひまた、出没が多い地域等でモデル的にまたやっていただいて、その効果があるのであれば、この事業をもっと拡大、広めていく中で対策の一つに、大きな一つにしていってもらいたいというふうに思うのですけれども、その辺はいかがでしょう。●葉葺久尚環境対策課長やはりやぶ刈り払いについては、先ほど申し上げたとおり一定の効果がございます。予算も限られておりますけれども、市町村と協力しながら優先順位を決めながら、そういうモデル事業も含めてやっていきたいというふうに考えてございます。