本記事では、原発の検証総括委員会における進め方と課題について、6月議会 厚生環境委員会にて質問をいたしました。特に、福島第一原発と柏崎刈羽原発の事故検証を巡る委員会の対応と、そこで生じた行き違いやすれ違いに焦点を当てています。また、総括委員会の役割と進行方法に関する議論、フィードバックの取り組みについても触れ、委員会の今後の方向性について検討します。◆牧田正樹 未来にいがたの牧田です。よろしくお願いします。私のほうからは、一般質問でも取り上げさせてもらいましたが、原発の検証総括委員会の進め方というか在り方というか、ここについて、再度、詳しくお聞きをしたいというふうに思います。いちばんの問題といいますか、知事のほうが5月10日の記者会見で、今回の総括委員会の役割というのは、福島第一原発の事故の検証でやってもらいたいということだったのでしょうけれども、総括委員会のほうは、福島のことは総括は当然ですけれども、それに加えて柏崎刈羽原発のことについても取り上げるんだということで、そこが行き違いといいますか、両者のそごといいますか、すれ違いになったのだというふうに思います。これについては、第1回めの総括委員会でも議論していまして、私も全部読んだんですけれども、中身からすると、やはり柏崎刈羽原発のことについても議論していくんだということが読み取れるかというふうに思います。そして、これについては第2回めの総括委員会に花角知事も出席をしていまして、令和3年1月に行われているわけですが、ここでも池内委員長のほうは、福島第一原発を検証するのは主目的であるととらえられていますが、さらに実は第1回の総括委員会のときに、当時の知事が二つ必要なのだとおっしゃっているのです。一つは無論、福島第一原子力発電所事故を検証する、基本的にはそれであると。しかしそれはやはり、柏崎刈羽原発の意思を決定するうえについてのことであるから、柏崎刈羽原発の規制基準等の問題の解決というのは絶対に必要で、ということで続いているわけですが、こういったことを発言されていまして、これの以降の議事録の中で、知事や執行部の皆さんのほうでここを否定するといいますか、いや、福島だけなんだよというような取り消しの、取り消しといいますか、それを否定するような発言が出ておりませんので、ここは知事が一般質問で答弁をいただいたことと、やはり違うと思っています。 そのうえで質問させていただきたいのですけれども、あと、進め方の問題で、私のほうで進めさせてもらいましたけれども、この中で、フィードバックの問題ですね。総括委員会で何度か共有しながらフィードバックをして、三つの委員会とフィードバックをしていくんだということであります。これについても少し、第1回めの総括委員会での議事録の中ですけれども、委員長が年に一、二回程度開催をして、その中で当然、その前の各委員会に関しては年に三、四回程度、これも4回やりたいと思っていますが、三、四回程度でまとめて意思疎通を図りながら進めていくと思っていますということで、全部総括が、三つの検証委員会の報告が出てから総括をするのではなくて、年に1回程度、総括委員会のほうでもんで、そこで議論して、また各三つの委員会に戻していくんだと、そういう進め方を想定をしています。そういう意味からすると、今回、県がやるといった総括については、本当の取りまとめだけであるというふうに思うのですけれども、その点について、この議事録からいっても、やはり違うのではないかと思うのですけれども、その点いかがでしょうか。 ◎答弁 原子力安全対策課長 今ほどの池内前委員長の発言を踏まえてのことでございますけれども、まず、福島原発事故に関する三つの検証についてでございますけれども、三つの検証につきましては、従前から各検証委員会において、事実に基づき客観的、科学的に検証するために必要な項目、課題を設定して議論をして、各委員会で議論していただきました。検証委員会の任務につきましては、運営要綱第2条にありますとおり、知事の求めに応じまして、新潟県原子力発電所の安全管理に関する技術委員会が行います、福島第一原子力発電所事故の原因の検証。新潟県原子力発電所事故による健康と生活への影響に関する検証委員会が行います、福島第一原子力発電所事故による健康と生活への影響の検証。それから、新潟県原子力災害時の避難方法に関する検証委員会が行います、安全な避難方法の検証を、総括することであります。各検証委員会におきまして、専門家のかたがたからそれぞれ客観的、科学的に検証いただいていますことから、各検証委員会の検証作業に対して、何らかを求めるということは含まれておりません。検証総括委員会の委員長が委員会の中で、フィードバックという御発言をなされているということは承知しておりますけれども、今ほど申し上げましたとおり、三つの検証委員会は各検証によって行っていただいておりまして、県は検証総括委員会における各個別の検証委員会へのフィードバックというのは求めておりません。なお、検証総括でございますけれども、知事が議会で三つの検証委員会でそれぞれにおいて各分野の専門家に客観的、科学的に検証して提出いただきました四つの報告書を、矛盾等がないかの確認を含めて、取りまとめることとしているところでございます。 ◆質問 牧田正樹 今までそういうふうに言われているのですけれども、専門家がまとめたというか、まとめている各委員会の総括といいますか報告については、ダブる部分もあるし、お互いに影響する部分があると。正確な言い回しはあれですけれども、そういったことで、そこを総括委員会の中でやっていくんだというのが議論されていたかと思います。そして、第2回目の池内委員長の発言、議事録の中で、ひとつ、総括委員長として大きな不満を持っているのは、実は最初のロードマップでは、1年おきくらいに総括委員会を開いて、各委員会から進捗(しんちょく)状況を報告していただいてフィードバックを受けていくと、そういうやり方が構想されていたわけですが、それが一切なかったということで、第1回めを開いてから第2回めまで3年もかかっているわけで、それ自体がちょっと異常というか、1年おきにやっていくということができなかったわけなのですけれども、ここの場でまだこういう発言をしているということは、委員長も納得をしていないということだというふうに思います。したがって、最初から想定していないということがいつの時点で変わったのか、それが分からないのですけれども、最初からだというふうにはとらえにくいのですけれども、その点をもう一度お願いします。◎原子力安全対策課長 まず、検証総括委員会は、池内委員長さんが何でもできるというわけではございません。県が委員会の要綱を作って、知事の求めに応じてお願いしている。それに対して池内委員長は承諾していただいたという大前提がございます。そのうえで、先ほど申しましたように、令和3年1月にありました第2回の委員会で、牧田委員がおっしゃったようにフィードバックという言葉をお使いになられましたけれども、県としては求めておりませんし、委員会の中でそれがオーソライズされているわけではございません。ということで、それと令和3年1月に第2回を行ったのも2年ほどかかったというところでございますけれども、池内委員長と我々事務局としてはいろいろやり取りさせてもらいましたけれども、やはり検証総括委員会をやるときに、議論する材料が必要だろうということで、報告書がまとまったものができた都度、やっていきましょうという話を池内委員長としました。その結果、令和2年10月に報告書が出ました技術委員会での事故検証、令和3年1月に生活の検証が出ましたので、それを材料に第2回をやりましょうと。ほかの出ていないところは今の現状を報告するという形でやりましょうというところで、令和3年1月におきまして第2回が開催されたという経緯がございます。◆牧田正樹 池内委員長が何でもできるということは私も思っていないのですけれども、総括委員会と委員会の間でいろいろ折衝といいますか、打ち合わせもされていると思います。そういう中で報告書ができてからというのも、池内委員長は納得されたのかちょっと分かりませんけれども、ただやっぱり、令和3年1月の第2回の総括委員会でまだ、こういった不満があるということで言われていたということは、そこは平行線だったということでよろしいのでしょうか。◎原子力安全対策課長 令和3年1月のときの委員会の発言ではその発言をして、そのとき、先ほどいみじくも牧田委員がおっしゃったように、知事も県側もそれについてどうのこうのということは発していなかったのは事実でございます。ただそのあと、いろいろな発言をいろいろな場面で池内委員長されておりまして、令和3年の9月に知事と池内委員長が面談したときに、知事から直接、私が求めているのは取りまとめですと。柏崎刈羽の安全性の確認についてはそこまで求めていませんと。そこは技術委員会でやっていますので、そこはそちらにお願いしていますというのをはっきりと申し上げました。そのうえで、さらにやりたいというところで、平行線が続いたというところでございます。◆牧田正樹 経過については分かったのですが、どうなんでしょう、第1回めの総括委員会からの経過もありますので、そこはやはりもう少し個人ということよりも、検証総括委員会の中できちんとやはり議論をすべきではなかったのかなというふうに思います。知事が開く権限があると言われればそれまでなのですけれども、やはりそこは委員会、委員を任命したわけなので、そこはやはりよりいい報告が出るように努力すべきであったのではないかと思います。経過については分かりましたけれども、この経過については納得できませんので、また連合委員会で聞くかどうかはちょっと分かりませんけれども、現時点ではこの辺でやめておきたいと思いますので、ありがとうございました。