新型コロナウイルスワクチン接種に関する現状と課題皆さま、未来にいがたの牧田正樹です。本日は、新型コロナウイルス感染症に関連するワクチン接種の効果や現状、課題についてお話ししたいと思います。1. ワクチン接種の効果と使用状況効果オミクロン株対応ワクチンは、重症化予防に40~70%の効果が確認されています。使用状況全国で約4.36億回分接種され、廃棄は約2.4億回分。本県では約867万回接種されました。2. 副反応と救済制度副反応報告令和3年度は新型コロナワクチンで216件報告(重症100件、死亡24件)。他ワクチンは6件(重症1件、死亡例なし)。救済制度本県では189件の申請があり、136件が認定されています。周知の強化が課題です。3. 新しいレプリコンワクチン10月から導入の次世代型ワクチンは安全性が確認されていますが、一部で懸念の声もあります。国は「成分が他者に伝播することはない」と説明しています。●牧田未来にいがたの牧田正樹です。よろしくお願いします。1点だけ、新型コロナウイルス感染症の関係でお聞きしたいと思います。午前中も柄沢委員のほうから、昨日から有料の65歳以上のかたの接種が始まったということでお話がありましたけども、2020年に新型コロナウイルスがやってきまして、2021年からワクチン接種が始まっているかと思います。昨年のゴールデンウィーク明けに2類から5類になったということであります。この間、福祉保健部の皆さん、病院局もそうですが、本当に大変な中で業務に当たられたことに感謝を申し上げたいというふうに思います。私のほうから何点かお聞きしたいんですが、最初に、この新型コロナのワクチン接種があって、皆さんも大変ご苦労されたわけですけども、これの効果をどういうふうに見ていらっしゃるのか。特例臨時接種の量といいますか、ワクチン量といいますか、使用総数、それから廃棄数ですね、これも併せてお答えいただければと思いますが、よろしくお願いします。●北村友紀感染症対策・薬務課長新型コロナワクチンについて、そのワクチンの効果と使用量と廃棄量、こちらの御質問かと思います。まず1点めのワクチンの効果に関してですが、今ほど委員からもお話がありましたが、新型コロナワクチンの効果について、こちらに関して、新型コロナの流行初期、ワクチン接種開始当初ですが、こちらのときには、感染予防、発症予防、重症化予防という点に効果があると期待されていますということでワクチン接種を行ってきたところでございます。これまでにワクチン接種に関して国内外でさまざまな研究がなされているんですけれども、その中では、やっぱりコロナ感染症による入院ですとか、死亡などの重症化を予防する効果というところが特に報告されているということもございまして、特に令和5年の、昨年度の秋冬シーズンで用いられたオミクロン系の対応ワクチンの効果、こちらに関して申し上げますと、新型コロナ感染症による入院を約40パーセントから70パーセント程度予防した等の報告がなされているところでございます。2点めの御質問で、ワクチンの使用総量と廃棄数、こちらの御質問を頂いたところでございます。まず、ワクチンの使用総数に関してでございますけれども、厚労省のほうで公表している数字がございますので、こちらの数字で御回答したいと思うのですけれども、新型コロナワクチンについて接種が始まったのが令和3年の2月からスタートしまして、令和6年の3月末までの間の数字になりますけれども、使用総数については全国ベースで約4億 3,600万回分、本県では約 867万回分のワクチンが使用されているということで公表されているところでございます。廃棄数に関しましては、全国では約2億 4,000万回分が廃棄されているということを厚労省は衆議院の決算行政監視委員会のほうで報告されているというふうに報道で出ているところでございます。なお、国は都道府県ごとの内訳を公表していないということもございまして、本県分についてはこちらでは承知していないという状況となっております。●牧田ありがとうございました。重症化予防ということで40パーセントから70パーセントということで厚労省のほうでは言っているということでありました。今、答弁いただいたように、当初はやっぱり発症予防ということが言われていたんですけども、それについてはなかなか数字が、厚労省のほうは20から40パーセント程度ということも言っているようですが、まだきちんと総括されてないのかなというふうに思っております。廃棄量も非常に多くて、もったいない気もするんですけども、これについては早期に打つということでやむをえなかったのかなというふうにも思います。続きまして、今回のワクチンについては、今までの一般のインフルエンザとか、そういうものに比べて、周りの人にも副反応がけっこう出ていたという話を聞いているところなんですけども、コロナの関係の副反応疑いの報告数と、コロナ前の、いわゆる今までのインフルエンザとか、そういうものの副反応疑いの報告数をお聞きしたいと思います。●北村友紀感染症対策・薬務課長コロナワクチンとその他ワクチンにおける予防接種後の副反応疑いに関する御質問を頂きました。こちらの予防接種後の副反応疑いについてでありますけれども、こちらに関しては、予防接種法に基づきまして、予防接種等を受けたかたが、それが原因によるものと疑われるような症状を呈した場合に、医師等が判断して、厚生労働大臣に報告されているものでございます。その情報は、その予防接種を実施した市町村、都道府県と情報が共有されているところでございます。もう少し具体的に、医師はどういう形で報告されているかという点に触れさせていただきますと、医師からの報告に関しましては、症状の程度として、まず重いか、重くないかという選択肢の中から該当するものを選択するという形になっております。その場合に、重いというようなことで選択した場合には、さらに、例えば死亡ですとか、障害とか、入院とか、こういった区分がさらにありまして、それを選択した中で報告されているところでございます。次に、どの程度の数字が報告されているという点に関しましては、新型コロナワクチンによる副反応疑いに関しましては、県で報告数を集計しておりますけれども、年間の件数についてどう比較するかというのはなかなか難しいんですけども、例えば先ほどお話ししたように、令和3年度のワクチン接種、スタートダッシュのタイミングだと思うんですが、この年度に関して、まずほかのワクチンとの比較の中でどうだったかという点について触れさせてもらいますと、まずコロナに関しましては、令和3年度で 216件の報告がありました。その内、症状が重いものが 100件あったという報告となっております。 100件の内24件が死亡事例ということで医師から報告されたと承知しております。また、重くないというふうに報告されたものが 111件、不明が5件ということで、コロナワクチンに関しては報告がなされております。同じく令和3年度のほかのワクチンの状況に関しましては、全体で6件、その内、重いというものは1件で、この1件に関しては死亡事例ではないと承知しております。なお、直近の令和5年度の報告数に関しても同様に整理してみたんですが、新型コロナワクチンに関しては全体で13件の報告がなされていて、その内、重いものは9件、9件の内、死亡事例が2件、重くないものが4件ということで報告されております。ほかのワクチンに関しましては重いが1件のみで、こちらのほうは死亡事例ではなかったというふうに承知しているところでございます。●牧田細かく頂きましてありがとうございました。令和3年だけですけども、死亡でいうと24件、コロナがですね。それ以外がゼロ件ということで、打った数も違うんでしょうけども、単純に比較できないと思いますが、やはり副反応が多かったのかなというふうな感じを受けました。続きまして、予防接種については救済制度、予防接種健康被害救済制度があると思うのですけども、これの申請数と審査状況をお願いしたいと思います。●北村友紀感染症対策・薬務課長予防接種健康被害救済制度について御質問いただきました。こちらの制度に関しましては、こちらも予防接種法に基づくものとなっております。申請者がその予防接種を行った市町村に申請を行い、市町村の中で設置しております、医師、医療関係者も含む専門家が入った調査委員会を設置しておりまして、こちらでの審議を経て、県を通じて国に申達する。その後、国は国が設置している疾病・傷害認定審査会での審査と厚生労働大臣への答申を経て厚生労働大臣が認定するという仕組みになっております。こちらに関しての申請数、審査状況についてでございますけれども、本県では令和3年度から現在までの数字についてですけれども、市町村から合わせて 189件の申達があったところでございます。この内、 136件が健康被害が認定されております。24件が予防接種との因果関係を否認された形で国からは返ってきております。残りの29件は国のほうで現在審査を待っているという状況になっております。●牧田分かりました。救済制度もなかなか知らないかたも多くて、申請されていないかたもいるのかなというふうに思いますけれども、ぜひこれについてもまた周知のほう、取組のほうを強化していただければというふうに思います。国のほうなんですけども、少し私も調べてみたんですが、24年の、今年の9月現在ですけども、コロナが始まった2021年、令和3年の2月から9月までで亡くなったかたが 777件。1977年からコロナウイルスが始まる前までですけども、これで亡くなったかたは 158件、44年と3年7か月の違いもあるんですが、それでもやはりこの短期間に多くのかたが亡くなっているという事実はあったのかなというふうに思っています。今度、この10月からの接種の位置づけについては午前中に柄沢委員の質問のほうでありましたので省略したいと思いますけども、今度、65歳以上からは定期接種のB類接種、努力義務なしということになって、その他の65歳未満のかたは任意接種ということになるのかというふうに思います。この10月からワクチン接種がまた新しい形になるかと思うんですけれども、今までのファイザーとモデルナ、第一三共の三つがメッセンジャーRNAワクチンで、武田が不活化ワクチンということ、それから世界で初めて承認されているMeijiSeikaファルマ製造のレプリコンワクチンというのがあるそうなのですけれども、これが日本が初めての接種ということになるそうです。私、医学的にも全然分かりませんし、ワクチン反対派でもありません。先ほどからずっと副反応ですとか救済制度の数字等も答弁いただいたところですが、このレプリコンワクチンについて、今まで私、そんなに言われたこともなかったんですけども、今回は近所のかたも含めて、このワクチンなんか危ないみたいなんだけどということで、何人かのかたから話があったところです。その情報の中に、個人病院ですけれども、このレプリコンワクチンを打ったかたについてはうちの病院に入らないでくださいというようなことが実際に言われているということで、全国的に何件あるか分かりませんし、上越市内でも1件だけは確認をしています。私も詳しく分からないんですが、一言で簡単にいうと、素人の言い方でいうとうつるというか、ワクチンが打った人から打っていない人にもうつるので、来ないでくれということなんだというふうに思うんですが、これについては多分、国はそういうことはないと思うので、承認をしていると思うんですけども、安全を取ってというか、県としてはそれについては、多分、国との歩調を合わせると思んですけども、見解というか、所見がありましたら、お願いしたいと思うんですけども。●北村友紀感染症対策・薬務課長今回、初めて使用されることになりますレプリコンワクチンの安全性ですとか有効性についての御質問じゃないかと思います。これに関しましては、国のほうでさまざまなQA等も出ておりますので、私ども今時点で御説明できるのはこの内容くらいしかないので、こちらのほうをちょっと紹介させてもらうような形になります。今ほど委員御指摘のように、今回の定期接種で使用できることとなりましたMeijiSeikaファルマ社のワクチン、こちらに関しましては、昨年11月に国の審議会において、有効性、安全性に関する評価を含めて審議がなされて、レプリコンといわれておりますけれども、次世代型のmRNAワクチンとして世界に先駆けて初めて承認されたものと承知しているところでございます。このワクチンの安全性についてでありますが、国の説明によれば、これまでの臨床試験でファイザー社製のワクチンと比べまして、有害事象の種類や発現割合等に明確な差は認められなかったというふうな話を伺っているところでございます。併せて、承認に当たりましては動物試験や臨床試験の結果に基づいて安全性が審査されており、既存のmRNAワクチンと比べて安全性に大きな差がないことが確認されていると聞いております。また、有効性に関しましても、今まで使われておりますファイザー、モデルナ両社製の既存のmRNAワクチンよりも抗体が長時間持続する、こういった点が確認されているというふうに伺っているところであり、委員が冒頭おっしゃっていたような、例えば接種に問題あるかたとか、入店とか来院について控えてほしいみたいな話があることがらに関して、国のほうではほかのかたにワクチンの成分が伝播(でんぱ)するといった科学的知見はないというようなお話もQAの中では示されているところでございます。●牧田国が承認しているので、そういうことなんだと思うのですけども、ただ、医師がそういった危険性があるということも表明しているということも、数にすれば少ないのかもしれませんけれども、あるかと思います。日本看護倫理学会ですか、こちらでもやっぱりこの危険性については声明という形で出していまして、結論のところだけちょっと読ませてもらいますけども、一般社団法人日本看護倫理学会は、レプリコンワクチンの導入に関してはさらなる研究と長期的な安全性データの収集が必要であり、十分なインフォームドコンセントの確保と接種に関する奨励と同調圧力の排除が求められると考えます。我々は安全かつ論理的に適切なワクチンの開発と普及を強く支持するものではありますが、そのいずれも担保されていない現段階において、拙速にレプリコンワクチンを導入することには深刻な懸念を表明しますということで声明が出ております。私さっき言いましたように、ワクチン別に反対とかそういうことじゃないんですけども、亡くなっているかたも多かったり、多いというのも客観的かどうかというのもありますけど、今までのインフルエンザのワクチンとかに比べると死亡率とかも高くなっているということもあります。そういった情報を県のホームページなりさまざまな媒体で、事実だけを言うのでいいと思うんですけども、厚労省のホームページにリンクしていくような形だけではなくて、県独自にホームページにそういった状況等も実態を上げていくということも必要かと思うんですけども、その点いかがでしょうか。●北村友紀感染症対策・薬務課長委員から、10月からの接種に関してどう周知するのか、今、お話があった点も含めてどう周知していくのかという御質問かと思います。委員からは、国のホームページのお話もちょっとございましたけれども、今回の定期接種に関しましては、国において定期接種で使用されるワクチンの種類と、ワクチンごとの副反応を示したリーフレット、あるいは新型コロナワクチンQ&Aを作成して、都道府県や市町村向けに電子データを提供いただいているところでございます。こういったものを厚労省のほうではホームページ上に上げて周知を図っているところでもあります。また、接種に向けて市町村においては御自身の有している広報誌、あるいはホームページを活用しながら、対象者のかたへの周知を図っていると承知しております。県におきましても、新型コロナワクチンの定期接種に関するホームページを設けておりまして、この中で国が示すワクチンに関する最新情報をリンク等で今、紹介させてもらっていますけれども、例えば国のほうで提示されているリーフレットを直接県のホームページに掲載する、そういったような工夫をしながら、最新情報を県民のかたに提供していっておりますし、今後もそういうふうな取組をしたいと思っています。引き続き、市町村とも連携しながら、今ほどのような点について周知、啓発を図っていきたいと考えております。●牧田ぜひ、厚労省のホームページというのは分かりにくくて、なかなかアクセスしにくいところもあるので、ぜひ県のホームページ、市町村には強く指導もできないと思うので、ワクチンの必要性と、並びにこういった危険性というとあれですけども、副反応も出るんだということをぜひ周知をお願いしたいと思うんですけども、私本当にメッセンジャーRNAとかそういうのは分からないんですが、部長、医師の専門の立場で先ほどの議論を聞かれてどういうふうに、所見がありましたら、最後にお願いしたいと思います。●中村洋心福祉保健部長メッセンジャーRNAワクチンを取り巻くさまざま意見に対してどう考えるかということですけれども、ワクチンに関しての意見というものについては、今回のレプリコンワクチン以外についてもさまざまな意見が世の中には存在していて、その中で、国の審議会などで客観的なデータを用いて審議して、その結果、今回は承認されたということであると、そういうプロセスで決められていっているものだというふうに考えております。私自身としては、そういったさまざまなかたの検討がされているというふうな状況をよく見ながら考えていくことが必要かなと思いまして、私個人として特にこのものに関しての意見を持っているわけじゃないんですけれども、引き続き県としても、国が出す情報だとかそういったものをよく注視しながら、情報提供をしていきながら、コロナワクチンの周知などそういったものを進めていければなと思っております。