原子力防災への課題と取り組み:県議会での議論から皆さま、未来にいがたの牧田正樹です。日々、県民の安心安全のために尽力されている関係者の皆さまに感謝申し上げます。本日は、原子力発電所の安全対策や防災対策に関する議会での議論を共有させていただきます。1. 技術委員会の議論と課題議会では、柏崎刈羽原子力発電所の安全対策を確認する技術委員会において、能登半島地震の知見に基づく安全性評価が議題となりました。新たな知見が反映されるのに時間を要する可能性がある中で、報告書が取りまとめられるタイミングとの整合性が課題とされています。研究機関や規制庁による動向を注視し、慎重な対応が求められています。2. 防災対策検討会と避難委員会の違い新たに設置された防災対策検討会では、能登地震の教訓をもとに、避難所運営や複合災害への対応を検討しています。一方、過去に設置された避難委員会は、福島第一原発事故の教訓をもとに広域避難計画を検証する目的で活動しており、それぞれ異なる視点で防災対策に取り組んでいます。3. 避難道路整備の進捗6月に国への要望を行った避難道路の整備については、いくつかの調査費用が予算化されましたが、具体的な整備スケジュールはまだ確定していません。県は今後も国との連携を強化し、早期実現に向けた働きかけを進める考えです。4. 検討会の非公開と公開性の課題防災対策検討会が非公開で行われている点について、専門家の自由な意見交換を促すためとの説明がありました。一方で、議論の過程を公開し、県民と共に課題を考える姿勢も重要です。今後、公開の在り方について再検討を求めていきたいと考えています。原子力防災は、地域の安全に直結する重要な課題です。議論の透明性や実効性のある対策を確保するため、引き続き取り組んでまいります。●牧田牧田です。よろしくお願いします。日々、県民の安心安全のために御尽力いただいていることに感謝を申し上げたいと思います。午前中に原子力発電の関係で議論があって、一言だけ言わせてもらいたいんですけど、課長のほうから、被ばくによる死者が圧倒的に少なかったんだという話だったんですけれど、それは事実はそういうことだというふうに思いますし、被ばくで亡くなったかたが多いんであれば、本当に大変な事故になっていたかと思います。そういう中ですけれども、福島の事故を見れば、双葉病院では避難するという、バスに乗ってみんな亡くなったり、39人ですか、そういうこともありましたし、津波で、もしかしたら被ばく、原子力発電所の事故がなければ救えた命もあったかもしれませんし、亡くなったかたの御遺体もすぐ迎えに行くこともできたと思うのですけれども、原子力発電所の事故というのはそういうことなんだろうなというふうに思いますので、一言だけ言わせていただきます。原子力発電所の関係で3点ほど質問させていただきたいのですけれども、まず、技術委員会における議論で、安全対策の確認の取りまとめ作業に入ったということで、これは一般質問にもありまして、取りまとめの時期はいつですかということについては、見通しが分からないということでありました。それはそういうことなんだというふうに思うんですけれども、もう一つ、能登半島地震の新たな知見が出れば加味するけれども、今のところ出ていないという答弁だったのではないかと思うんですが、技術委員会が6月にあったかと思いますけれども、あの中でも、国への確認事項の回答で、ここでいちばん議論が行えたかなというふうに思うのですけれども、委員のほうからは、やはり能登半島地震におけるさまざまな事象ですね、例えば断層の連動ですとか、それから原発敷地内のスリップですかね、地滑りですか、そういったことについても本当に大丈夫なのかというような質問に対して、国のほうは新たな知見が出ていないので大丈夫というか、出ていないので大丈夫みたいな答弁だったのですけれども、委員のかたは納得されていなくて、宿題ですねみたいな発言もあったところなのですけれども、ここについては、先ほどの一般質問の答弁と少しやっぱりニュアンスが違うのではないかというか、能登半島地震の知見が出るまではやはり安全かどうかということは確認ができないと思うのですけれども、その点、お願いしたいと思います。●金子信之原子力安全対策課長県の技術委員会におけます能登半島地震に関する議論についてでございますけれども、まず1月の29日に開催した技術委員会におきまして、まずこの時点で東京電力から柏崎刈羽原子力発電所の設備の異常や液状化の被害はなかったことや、断層の連動を考慮し基準地震動を策定しているとの説明がまずここで1回ありました。また、原子力規制庁からは、新たな知見を収集して、必要と判断した場合は規制にまず反映していきますと。これは基本的な考え方ですと。新たな規制を既存の施設にも適用していくというのは基本的な考えだということも述べております。技術委員会におきまして能登半島地震について現時点で把握できている情報からは、直ちに規制に反映すべき新たな知見は得られていないという現状がまずあって、今後も引き続き情報収集を行い、規制に取り入れる必要があるかどうか適切に判断していく等の説明がまず規制庁からありました。能登半島地震に関する議論につきましては、もともと柏崎刈羽原子力発電所の安全対策の22項目の中に含まれているところでございます。まず、報告書につきましても6月4日に開催した技術委員会において、これまでの議論において取りまとめの作業に着手していくということで、イメージを示しながら、そこで皆様がたから異論なく進めているところでございますけれども、東京電力の説明に疑問が残る事項等を国に引き続き確認するということにしておりますので、そういうことから取りまとめの見直しについては現時点で申し上げることができないというところでお答えしたというところでございます。●牧田分かりました。正確にお聞きしたので分かったのですが、新たな知見というのが、多分、事象によってだいぶ違うと思うのでうけれども、それは相当、普通は時間がかかるものなんでしょうか。●金子信之原子力安全対策課長それこそさまざまな研究機関で行われているので、東大、京大、いろんな専門の研究機関、その辺もすべて規制庁がウォッチをしているんだそうです。そういうところを現在進行形でやられていて、そういう意味で、現在、新しい知見はとりあえず今は出てきていない。ある意味、柏崎刈羽原子力発電所に関しては、断層とか地震については保守的にやっているというのもおっしゃっていましたので、そういう点からすれば、今現状はそれをさらに何かしていくということはないんだけれども、今いろんなところで活動している研究、新しい知見が出てくれば反映していきますよということでおっしゃっていますので、それを私どもも注視しているし、動向を見ているというところでございます。●牧田今、保守的とあったんですけれども、豊島委員からだと思ったんですけれども、やっぱりリスクを取るほうでななくて、ないほうで見ているのではないかという、そういった意見も出されていたのですけれども、そうすると保守的ではないような気がするのですけれども、その点はいかがでしょうか。●金子信之原子力安全対策課長言葉でなかなか説明することは難しいのですけれども、地震については基準地震動というものがあって、基本的になるような断層があって、それに付随して、周りにある断層も連動した場合とかいうものをもろもろしてやっているという説明はもともとあります。そういう意味で、かなり保守的にやっているというところの説明があったように記憶しております。現在の能登地震を受けて、それらをさらに付随して何かしていかなければいけないという知見は、新たなものは出てきていないという現状の中で、今後いろんな研究機関が今研究しているというところで、さらに規制の中で、評価の中で加味していかなければいけない知見が出てくれば、当然していきますよということをおっしゃっていますので、今、そういう現状だというところでございます。●牧田それは分かりました。ただ、知見が出るのが相当遅くなって、その前に報告書ができてしまうとかということになると、そのあとでまた新しい知見が出てきて、判断が変わるようなことがあった場合とかはどうなるのかなという疑問があるので、ということだけ、質問じゃないので、表明させてもらいたいというふうに思います。2点めなのですけれども、防災対策検討会、これが立ち上げられました。これも一般質問の中でも話があったんですけれど、説明があったと思うんですが、避難委員会との違いというものを少し教えていただきたいと思います。●堀川健一防災企画課長このたび設置いたしました防災対策検討会と避難委員会の違いについてでございます。まず、検討会のほうからなのですけれども、県ではこれまでも大規模な自然災害が発生した場合にはその振り返りを行い、必要に応じて地域防災計画に反映してきておりまして、今回も同様の対応を行うこととしております。したがいまして、防災対策検討会につきましては、今回の能登地震における経験や教訓を踏まえて避難所運営対策などの防災対策や、防災対策上の主要な優先課題の抽出を行いたいと思います。これには避難対策もございますし、孤立地域対策もございます。中でも原子力の複合災害への対応としての屋内退避、事業所との情報伝達についても検討するということにしております。そういったものを検討いたしまして、その取組の方向性を検討するために本会議を設置したものとなります。対しまして、令和4年9月に報告書を取りまとめていただきました避難委員会につきましては、福島第一原発事故を踏まえ、原子力災害における県等の対応や、県広域避難計画について検証を行っていただき、安全に避難するための課題等を抽出、整理していただいた委員会でございます。●牧田分かりました。そうすると、特に検討会の中で複合災害についても議論をしていくということなのですけれども、一般質問の中では避難委員会の中で抽出された課題については議論があればしていくみたいな話だったのですけれども、せっかく避難委員会で課題が抽出されたので、やっぱりそこを事務局としても積極的に議論をしていただく、そういう格好が望ましいのではないかと思うのですけれども、いかがでしょうか。●金子信之原子力安全対策課長能登地震の検討会につきましては、今ほど防災企画課長が申したとおりの性格で設置したもので議論していくものでございます。避難委員会に出された課題等につきましては今、関係部署、関係機関でしっかりと検討しているということでございますので、それはそれでしっかりとやっていかなきゃいけないと思いますけれども、今ほど申しましたように、性格は違いますけれども、能登半島地震の中でも若干触れられれば、その部分も参考にしながら議論していくのは当然のことだというふうに思っております。●牧田あと、先ほど堀委員のほうからもあったんですけれども、シミュレーションが非常に大事だという話がありました。できれば、複合災害のときに被ばくのシミュレーション、県のホームページにも上がっているということで、幾つかは想定できると思うので、そこをこの検討会の中でしていただきたいと思うのですけれども、そういう予定はありますでしょうか。●堀川健一防災企画課長検討会における被ばくシミュレーションの検討につきましては、先ほど検討会の目的、違いについて御説明いたしましたとおり、今回は能登半島地震を踏まえた自然災害を中心とした取り扱いになりますので、本会議においては被ばくのシミュレーションを行うことは現状では考えておりません。●牧田私としてはぜひしていただきたいなと思っています。それから、公開の問題です。これも一般質問の中で、検討会では委員によるきたんのない率直な意見交換をしていただくことが重要であると考え非公開としたものですということなのですが、ちょっとこの意味が私にはよく分からないのですけれども、公開すると、こういう種類の検討会できたんのない率直な意見交換ができないのかどうか、そこを教えてください。●堀川健一防災企画課長検討会における委員によるきたんのない意見ということでございます。今回の委員のかたがたにおきましては、皆様、大学なりNPOなりでお勤め、あるいは活躍されているかたでいらっしゃいます。今回の検討会につきましては、そういったかたがたの研究、あるいは日常活動における経験、そして御自身のお考え、私的な考えですね、そういったものをベースにお話しいただくというふうなことになっております。当然ながら、話している間に個人的なお話とか、個人名とかあるいは個人的な企業名とか、そういったものが出ることもございます。そういった意味で、自由にそういったものを気にせず御発言いただいて、議論を進めていきたいというふうなところで、今回そういった取り扱いにさせていただいたところでございます。●牧田公開であれば、個人名とかは言わないというふうに思います。ちょっとそれは理由になっているのかなというふうに思うのですけれども、やっぱりこの議論を県民のかたに聞いていただいて、一緒に考えていくという姿勢が大事ではないかというふうに思いますし、そうすると、性質が違うと言われるかもしれませんけれども、三つの委員会とか技術委員会も公開でやっているわけで、こことの整合性も取れないんじゃないかと思うんですよね。ぜひ公開でやっていただきたいと思うのですけれども、再度、技術委員会との違いとか、その点いかがなものでしょうか。●堀川健一防災企画課長本検討会におきましては、専門家のかたがたから御意見をうかがって、それを私どもが受け止め、そして地域防災計画に反映する段階で県民の皆様にパブリックコメントとしてお示しして、意見を頂くというふうな段取りになっております。県民の皆様の御意見につきましてはパブリックコメントの実施により反映させていただきますというところでございますので、御理解いただければと思います。●牧田私は過程が大事だというふうに思いますので、ぜひ公開をしていただきたいと思います。最後になりますが、今、国のほうに要望しています避難道路の件なのですけれども、今後の予定といいますか、スケジュールですね、どういうスケジュールで、相手があるので、国もあるので、なかなかスケジュールどおりにいくかどうか分からないんですが、今段階で考えているスケジュールを教えていただければと思います。●金子信之原子力安全対策課長先日要望した避難道路の整備の要望というところの今後のスケジュールというのは、多分、要望したそのものがどういうスケジュールで動いていくのかということで御理解させていただければ、まず、6月6日に知事先頭に要望に行きまして、今回要望もありますけれども、その際に頂いたのが、昨年7月に知事と柏崎市長と刈羽村長の三者で行った要望の回答を頂いたところもあります。それにつきましては、今さらに細かく言いませんけれども、大きく5項目の要望になっていまして、その5項目について、関係省庁で連携して、地方負担がないように整備する予算づけをしていきますという回答を頂きました。この内、米山サービスエリアの緊急進入路と県道柿崎小国線の2か所のまず調査費用は具体的に内閣府の予算でつけますというお話を頂いたので、今議会で補正予算として計上しているというのがまず1点ございます。それからもう一つ、今回の6月の要望で、6方向にしっかりとUPZ外まで避難するということが大事ですよという要望をさせていただきながら、それにはまずやっぱり国と県の協議の枠組みを作ってくださいというようなものになっています。それについては、知事も本会議で申しましたように、かなり真剣に取り組んでいただけそうな雰囲気を持ったということでございまして、まずはその枠組みを作っていただきながら、その中でしっかりと市町村と連携しながら、いろんな避難路の具体的な要望について説明をし、御理解を頂くようにしていきたいと思います。それからすると、要望している避難道路というところが、まだ形になっていないのもありますし、今、調査費がついたというところもございます。全体で避難道路がいつごろ、こんな形でできるというところは現在言えるものがないというところでございます。●牧田国との枠組みの時期とかもまだ分からないですよね。●金子信之原子力安全対策課長要望に初めてそのことを出してきたのが6月6日でございまして、その際に、国としては真剣にそれは受け止めさせていただきますというような御回答だったように聞いております。そのときの感触は、かなり前向きに取り組んでいただけそうな、真剣に受け止めたというようなことで知事も感触を得たというふうに思っています。ただ私ども本会議で尾身委員の質問にお答えしたように、ただ要望して終わり、あとは向こうさんにお任せということは思っておりませんで、今後、いろいろな機会をとらえて、その要望はどうなったのということは逐次確認しながら、そういう意味ではいろいろな場面で早めに我々の意図を酌んでほしいというのは、機会をとらえて国に申していきたいなというふうに思っているところでございます。