病院運営の現状と課題について未来にいがたの牧田正樹です。本日は県立病院の課題についてお話しします。1. リウマチセンターと坂町病院の機能見直しリウマチセンター: 病棟廃止後もリハビリ機能を維持。入院患者は周辺病院へ。坂町病院: 病棟廃止後も感染症対応を検討。患者や地元への丁寧な周知が必要。2. 中央病院の課題労務改善: 労基署の指摘を受け、未払い手当は年内に対応。新システム導入で管理を強化。退職者増加: 特に若手の退職が課題。職場環境改善に注力。3. 経費節減の取組共同購入: 薬品交渉で年間約2.26億円削減。診療材料の共同購入拡大を検討中。電力契約: 現在は随意契約。一般競争入札を視野に検討予定。●牧田それでは私のほうから、ちょっと細かい質問になるかもしれないのですけれども、何点かお聞きしたいというふうに思います。今、お二人の委員から大変大事な議論がされたというふうに思っています。現実的には難しいのでしょうけども、やっぱり法定改革といいますか、国の政策が変わらないとなかなか難しい面はあると思うのですけれども、まあそうは言っても現実的にどうしていくかということも大事だと思いますので幾つか質問させていただきます。厳しい財政状況ということで、病院の機能や規模の適正化、これは私も当然やっていかなければいけないと思ってますし、やはり遅い部分もあったのかなというふうにも思っています。ただコロナもありまして、なかなかそこを変えるのはできなかったというのも、現実問題としてはあるのかなというふうに思っていますが、そういう中でこれから前を向いていくしかないのかなというふうに思っていますけれども、それで今、具体的に来年の4月1日からということで、リウマチセンターとそれから坂町病院、それぞれ48床と20床ですかね、病棟廃止ということで出されております。これは現状、その患者さんの動向とか、そういうところから見ての計画だというふうに思うのですけれども、どの程度煮詰まっているのかということで、この病棟廃止という中でですね、少し幾つかお聞きしたいのですけれども、まずこの計画について、もう発表されているわけですけれども、地元の首長さんや、医師をはじめとした職員にどの程度の説明をされているのかちょっとお聞きしたいというふうに思います。●田中秀明経営企画課長リウマチセンターと坂町病院の機能規模の見直しについてでございます。8月から9月の上旬にかけまして、圏域内の市町村長、それと医師、医療関係者への説明を行いながら、やはりいちばんかかわりが深いのは現場の職員でございますので、8月末にリウマチセンター、9月の上旬に坂町病院で職員説明会を開催いたしまして、私のほうから機能規模見直しの背景と現時点で決まっている内容を御説明させていただいたところでございます。●牧田では地元の首長になるのか、幹部のほうになるのか、その説明のほうはしているということでよろしいでしょうか。●金井健一病院局長地元への御説明でございますけれども、私自ら関係する新発田市長、村上市長、もろもろあと関川村ですとか関係する市町村のほうに出向いて説明をしてございます。各首長からは、将来を見越したうえで、ある一定程度は理解はするけども、将来的にもよろしくねというような感じ、ある意味理解はされていると思っていますし、こうしてほしい、ああしてほしいという追加の御注文というのはその時は受けておりませんので、おおむね御理解していただいたとこちらで考えております。●牧田説明していただいているということで、理解も得られているということで確認をさせていただきました。ちょっと私のところに届いているのが、新発田病院のほうの医師からは聞いてないという話もあったということで、当然リウマチセンターのほうは説明されていると思うのですけれども、新発田のほうにも影響があるので、そちらのほうにも丁寧にまた説明していただきたいなというふうにも思っております。それで新発田にリウマチセンターが入っていくというか、一緒になるということなんですけども、新発田でやっていたオペのリハについては、これまでリウマチのほうに流れてといいますか、リウマチでリハビリをやっていたということも多いと思うのですけれども、その点はまあ当然これからも機能低下というのはなく対応できるということでよろしいでしょうか。●田中秀明経営企画課長リウマチセンターの回復期リハ病棟自体は今回廃止ということになりますけれども、リハビリの機能自体はリウマチセンターに残します。入院が必要なかた自体は、病床稼働率でいったら半分、20人前後になってしまっているので、今回廃止ということになるんですが、リハビリの機能自体は残します。入院が必要なかたについては周辺の回復期リハ病棟を持っている病院のほうに引き受けていただくという言い方はちょっと適切ではないかもしれませんけれども、そちらのほうで受けていただくということで、事前の調整も始めておりますので、患者のかたに迷惑がかからない対応をちゃんといたします。●牧田ぜひ患者の皆さんにも、また地域の皆さんにも周知のほうお願いしたいと思います。 坂町のほうも1点なんですけれども、3階病棟ですかね、廃止で今日の資料にもリハビリ室と、それからレスパイトの保護者待合室ということで、新設ということであります。ここの病棟はコロナの病棟に改修をして、陰圧でしょうか、感染症の対策が施されている病棟になっていると思うのですけれども、今後またコロナ等で入院が増えたときには、ほかの病棟をまた改修するとかそういうことになるのか、そこら辺ちょっとお聞きしたいと思います。●田中秀明経営企画課長3階の急性期の部分を5階に移すということで、現在調整を進めておりまして、具体的に職員の体制を含めて設備もどうやっていくのかというのは、現在検討中で、職員とも話し合いながら対応していきます。必要があれば設備も改修はしたいと思っておりますけれども、今回坂町病院については急性期の病床を減らすので、国からダウンサイジング補助金が出ますし、普通交付税算定に特例措置もされます。そういった国からの財源も活用しながら、必要な対応をしていきたいと考えております。●牧田じゃ急性期はなくなるわけですけれども、場合によってはコロナの病床が残るということでよろしいんでしょうか。●田中秀明経営企画課長これからの調整になりますけれども、それも視野に入れて検討しているところです。●牧田分かりました。協定も多分結んでいるので、コロナの患者さんも受け入れなければいけないと思うんですが、また新たに改修とかっていうと、結局そこでも必要な部分はやらなきゃいけないのかもしれませんけれども、お金もかかるということで、現場のかたも心配しておりましたので、ぜひまた現場とよく話し合ってですね、進めていただければというふうに思います。それからちょっと中央病院の課題で幾つかお聞きしたいと思いますが、昨年下半期のほうで労基署から時間外勤務について指導があったと思うんですけれども、これについて未払い賃金とかの支払いを含めて現状をお願いしたいと思います。●米山紀之総務課長(病院局)県立中央病院におけます労働基準監督署の是正勧告への対応についてでございます。労働基準監督署から指示のありました、令和5年7月から12月の労働時間関係記録の相違につきまして、記録の突合や職員への実態調査を行うこととしております。中央病院におきまして、職員に提示するデータ整理でありますとか、調査票の配付等の準備を進めているというところでございます。今後、その実態調査を進めましたうえで、労働時間に該当し、時間外勤務手当が必要な場合につきましては、手当の追加支給を行うなど、適切に対応してまいりたいと考えております。一方で、改善に向けましては、今回の是正勧告も踏まえまして、労働時間の適切な管理について、今年の4月に通知を発出をしますとともに、院長事務長会議などにおきまして、適切な労務管理について徹底を依頼するなどしまして、各病院に対しても周知を図っているというところでございます。加えて、時間外勤務を申告しやすい職場環境づくりについても取組を進めているところであり、現場の職員からも一定の評価について聞いているというところでございます。また今年度中に出退勤管理システムの導入を予定しておりまして、勤務実態のより適切な把握管理につなげていきたいと考えております。●牧田今、是正勧告の内容については、調査中というかいろいろ整理をされているということなんですけれども、未払いがあった場合の支給というのはいつごろになる見込みか、今のところで分かりますでしょうか。●米山紀之総務課長(病院局)今現在、作業を進めているところでございますけれども、未払いがあった場合につきましては、年内に対応したいと考えております。●牧田分かりました。大変忙しい中だと思いますけれども、ぜひお願いしたいと思いますし、今、今後の改善策で、出退勤管理システムということでお話があったんですけれども、多分パソコンに入力するような形でやるんだと思うんですが、これを導入した場合には、これだけで超勤、時間外の管理といいますか、このシステムでの数字がそのまま超勤の支払いになるということでよろしいんでしょうか。●米山紀之総務課長(病院局)基本的には一元的に管理できるシステムを考えております。●牧田じゃあそうすると、ここで入力すれば、新たにまた超過勤務の命令簿への記載とかですね、そういうのはないということでよろしいんでしょうか。●米山紀之総務課長(病院局)超過勤務自体は基本的に事前申告になっておりますので、その手続きはしていただく必要がありますけれども、実際の退勤時間との整合はそこで確認ができるということになっております。●牧田その場合、じゃあ事前申告をして、例えば2時間といったものがシステム上で3時間になった場合は、3時間で支払われるということでよろしいんでしょうか。P.20 ◎答弁 米山紀之総務課長(病院局)実際の勤務時間が3時間に及んだということであれば、超過勤務手当の支払いも3時間分ということになります。●牧田これまでもですね、この管理システムを使わない場合もそうなんですけど、やっぱり上司からですね、その仕事は超勤に該当するのかというようなことで、なかなかつけられないというような話も聞いております。これはどこの病院もそういう状況はあるのかもしれませんけれども、そういった場合ですね、この出退勤管理システムが導入された場合については、このシステムのほうの数字を採用していくということでよろしいんでしょうか。●米山紀之総務課長(病院局)御指摘のとおり、その出退勤管理システムの数字を基に管理をしていくということになりますし、そもそもその超過勤務手当を申請しやすい職場風土を醸成していきたいと考えております。●牧田分かりました。それでですね、関連するんですけれども、中途の退職者ですね。これが中央病院がほかの病院に比べて飛び抜けて多いということで聞いております。中央病院と新発田病院は、ほとんど規模が一緒ですけども、そこと比べてもですね、まあ職員数が多いので退職数も多いのかもしれませんけれども、それにつけても中央病院が飛び抜けて多いというふうに思っているんですが、今数字があるかどうかあれなんですけれども、過去3年とか5年で、定年退職と勧奨は50歳以上でしょうかね、そこはまあ、まあまあ除いても、定年はいいんですけれども、勧奨を除いてもいいんですが、普通退職の人数ですね。ほかの病院全部というわけにはいきませんけれども、例えば新発田と比べてとかそういう数字って今、把握されていますでしょうか。●米山紀之総務課長(病院局)中央病院での退職者の人数でございますけれども、今すぐお答えできるのが定年、勧奨も含めた人数というところで申し上げたいと思っておりますが、中央病院での看護師、看護職員の退職者数の推移ということで申し上げますと、令和元年が22人、令和2年が35人、令和3年度が38人、令和4年度については32人、令和5年度が32人となっておりまして、委員御指摘のとおり新発田病院に比べれば、看護職員の離職率は高いという状況になっております。●牧田中央病院が、今あの全体の数字を言っていただきましたけれども、私ちょっと、令和5年の普通退職が25人で新発田が15人。それから令和4年が中央病院が18人、新発田14人、ここはあまり変わりないんですけれども、令和3年になると中央病院が32人で新発田は10人です。相当中央病院が突出しているんですけれども、この原因とか、あと先ほど、人口減少もあるけれども労働生産人口が減っていくので担い手がいないという話もあったんですけども、実際もう採用されて働いている人がこれだけ辞めると、例えば結婚して県外に行くとかそういうのはしょうがないと思うのですけども、そういう人が全員だというふうには思いませんし、やっぱりせっかく採用している人を辞めさせてしまうというのは非常にもったいないというか、人材がいない中で一般的に労働生産人口が少ないとか、そういうことではないというふうに思うんですよね。ということで、中央病院が多い原因について分析されているようでしたらお願いいたします。●米山紀之総務課長(病院局)中央病院におけます看護職員の退職の理由についてでございますけれども、中央病院におきましては、新発田病院やがんセンターと比較しまして、看護職員の年齢層が若いという状況がございます。20代から30代の退職者数が全体の6割を占めまして、結婚でありますとか、配偶者の転勤に加えまして、家庭環境の変化を主な理由とした退職者が他病院と比べて多いという状況にあると認識しております。加えまして、多忙な急性期病院であるということで、業務上の負担感でありますとか、特に中央病院については下越地域などから異動する職員も多いという状況もありまして、そういった異動に伴う職場、生活環境の変化も一因にあると考えております。●牧田そういうこともあるのだというふうに思いますけれども、やはり非常にですね忙しい中で働き続けられないんだというふうに思うんですよね。今結婚ということも言われてましたけれども、やっぱり結婚しても働ける職場じゃなきゃいけないと思うんです。そういう面からするとですね、ここの組織風土の問題もあるのかもしれませんけれども、ぜひですね、この退職者を減らすといいますか、働き続けられる職場をぜひ、それはまあ中央病院だけじゃなくて全病院ですね、作っていただきたいと思うのですけれども、その点いかがでしょう。●米山紀之総務課長(病院局)委員御指摘のとおり、職員が働き続けられる環境の醸成というのは非常に重要な課題であるというふうに認識をしておりまして、職員の離職防止に向け相談体制の整備など、職場の雰囲気づくりに引き続き取り組んでまいりますほか、メンタルヘルス研修の開催でありますとか、職員満足度向上に資する取組の実施、職員が希望する多様な勤務形態の導入など、さまざまな手法について検討してまいりたいと考えております。●牧田ぜひよろしくお願いしたいと思います。 それから、短期再編の関係でオペ室が4月以降の増設ということもここに含まれているみたいですが、オペが増えてですね、労災から移行してきて、順次増えているということで聞いておりますけれども、それによってその病床の状況ですね、オペが終わったあとの入院、整形になると思うのですが、そちらの状況というのは、特に問題なくきちんと一つの病棟で受け入れられているのか確認したいと思います。●波多野孝業務課長中央病院におけます整形外科患者の入院の状況のお尋ねと思います。今年度に入りましてですね、地域内の開業医からの紹介患者が大変増加しておりまして、中央病院の整形外科の入院延患者数につきましては、今年度8月末までの累計でございますが、昨年度同時期に比べまして 1,496人増加となってございます。ただ、今、整形外科患者に入院をしていただいてる病棟、こちらの稼働率は、こちらも8月実績でございますが77.8パーセントとなってございまして、まだ空きがなくて入院を断るとか、そういったような状況にはなってございません。●牧田分かりました。まだ病棟のほうは大丈夫ということで確認をさせていただきました。 それから中央病院からまた戻りまして、全体的な経費の関係で、経費節減ですね、この辺の取組について伺いたいと思うんですけれども、医療法人の中でも連携法人でですね、メリットを生かして医薬品の共同購入とかしていくということで話がありました。今もですね、県立病院、指定管理を除いても11あるわけなんですけれども、これまで医薬品ですとか医療機器、そういったものの共同購入とか、そこを進めているとは思うのですけれども、それによってどういう効果が出てるかというか、そこら辺ちょっとお聞きしたいと思います。●田中秀明経営企画課長現状の経費節減の取組かと思います。まず薬品については、今年の上半期は共同で全病院、薬品については局が一括して交渉を行いまして、2億 2,600万円の削減ができる見込みとなっております。診療材料につきましては、病院事業の全体の約7割を中央、がん、新発田、この3病院で占めております。やはりスケールメリットとか品目の共有化となると、そこの3病院を重点的に進めるべきという考えのもとで、全国の共同購入組織による調達代行ということを行いまして、今、コストの削減を図っているところでございます。そのほかにも清掃とか廃棄物処理だとかですね、現場のさまざまな提案を受けまして、現在削減の取組を進めているところでございます。●牧田全国の共同購入の組織ということで、そうするとそこを利用すれば、県立じゃなくても個人というか、例えば開業医とかですね、そういうところもそういう共同購入を利用できるんでしょうか。ちょっと変な質問かもしれないんですけど。●波多野孝業務課長共同購入の仕組みについてのお尋ねかと思います。診療材料費、県立病院では全国共同購入組織へ加盟をいたしまして、そちらに加盟して診療材料の共同購入を行っているところでございます。ですので加入すれば、ほかのところでも利用できると思いますが、加入が必須(ひっす)になってございます。●牧田すいません私、勉強不足でそれ知らなかったんですけれども、そうすると例えばその共同購入組織を使わないで、県立病院11病院だけで契約をしてですね、医療材料費や医療品を安く買うっていうことはできないんでしょうか。●波多野孝業務課長今ほど申し上げましたのは、診療材料費につきましてでございます。薬品費につきましては、その内ほとんど90パーセントくらいをですね、局が一括して価格交渉を行って、すべての病院で購入する価格を同じ形にしてございます。診療材料費につきましては、先ほど申し上げました全国共同購入組織への加入ですが、県立病院の中でも診療材料費を多く使う中央病院、新発田病院、がんセンターで導入しておりまして、それ以外の病院は共同購入外であり、各病院での契約となっております。●牧田そうするとその3病院以外のやつで、一括購入とかで経費を安くするというのはちょっと合理的ではないんでしょうか。●波多野孝業務課長お答えさせていただきます。私どもが今、契約してございます全国共同購入組織のほうですが、そちらのほうからこの3病院以外の使用する診療材料の取扱量が少ないということで、そちらのほうは除外してほしいということで、この3病院だけ加入しているということになります。●牧田じゃあ量が少ないので、この組織を使わなくても8病院だけで契約するというのも合理的じゃないということでよろしいでしょうか。●波多野孝業務課長現在そのような形でやっていないということで、残りの8病院で共同で購入するということも今後考えていかなければいけないなという認識でございます。●牧田量が少なくて、またその配達とか、そういうのとかもいろいろあると思うので、大変かもしれませんけど、もしそれで経費が安くなるのであれば検討していただきたいというふうに思います。あとですね、電気についてなんですけれども、現在ですね、電気についてはどのような契約になっているんでしょうか。●波多野孝業務課長電気料金についてのお尋ねでございます。電気料金につきましては、11病院で安定的な供給を確保するという意味で、現在は東北電力との随意契約となってございます。●牧田今、新電力は値段が高くなっているという話もありますので、一概に言えないのですが、どこの電力会社であっても安定的には、止まるということはないと思いますので、ぜひそういうところも検討していただきたいと思いますし、これは随意契約ではなくて一般競争入札ということも考えられると思うのですけれども、その点はいかがでしょう。●波多野孝業務課長今、今年度と来年度に向けて東北電力と随意契約を締結しておりますが、それ以降につきましては、当然ながら新電力の供給能力や、価格等を研究して一般競争入札も含めた契約の在り方を検討していかなければいけないと認識してございます。●牧田本当に財政状況が厳しい中で1円でもやっぱり歳出も減らしていかなければいけないというふうに思いますので、そういった電気等も含めて、ぜひ経費節減に向けて一層の努力をお願いしたいと思います。