県民意識調査の設問は公平だったのか柏崎刈羽原発の再稼働を巡る県民意識調査では、安全対策のみが設問欄に記載され、これまで柏崎刈羽原発で起きた数々のトラブルや不祥事、福島事故後の補償の実態といった「リスク情報」が併記されていませんでした。賛否を問う調査である以上、メリットだけでなくリスクも示すべきであり、調査の公平性そのものに疑問があるとして、設問設定の考え方を質しました。知事は、多様な意見把握が目的であり、設問は適切だとの認識を示しました。ウエイトバック集計と「生の声」の扱い調査票は、性別・年齢・地域別の人口構成を踏まえて配布されており、あらためてウエイトバック補正を行う必要はないと考えます。また、回答しなかったこと自体も一つの意思表示であり、補正前の結果も県民に示すべきだと主張しました。しかし知事は、国の統計調査でも用いられる方法だとしてウエイトバック集計の妥当性を強調し、補正前の数値は公表しないと答弁しました。調査結果が示す「再稼働はまだ早い」という民意県民意識調査では、「再稼働の条件は現状で整っている」と肯定的に答えた人は37%にとどまり、否定的な回答は60%に上っています。さらに、避難路整備、放射線防護施設、除雪体制については、いずれも9割以上が「さらなる整備が必要」と回答しています。この結果は、少なくとも防災対策が完了するまでは再稼働すべきではないという県民が多数であることを示しており、現時点で再稼働を認めることはできないと指摘しました。知事は、防災対策の必要性を認めつつも、法的に再稼働を止め続けることには限界があるとして、国の対応確認を条件に了解したと説明しました。UPZ市町の過半数が否定的という事実UPZ内8市町では、「再稼働の条件は整っている」との設問に対し、過半数が否定的な回答をしています。この重い事実をどう受け止めるのかを問いましたが、知事は「県全体と同様に賛否は分かれている」との認識を示すにとどまりました。公聴会は判断材料として適切だったのか6〜8月に行われた公聴会について、県としての分析や評価が示されていない点を問題視しました。意見を集めるだけで、整理も評価もしないのであれば、再稼働判断の材料とすること自体が適切だったのか疑問です。知事は、公聴会で示された意見はすべて貴重な判断材料だとしつつ、県として集約や分析は行わないと答弁しました。視察と意見交換は「判断」にどうつながったのか知事は柏崎刈羽原発や福島第一原発、帰還困難区域を視察し、安全対策や事故の影響を確認したと述べました。しかし、UPZ7市町の首長との意見交換については非公開を理由に内容を明らかにせず、判断との関係は不透明なままです。「信を問う」とは誰に対してなのか知事は再稼働の判断について「信を問う」と繰り返してきましたが、最終的には県民ではなく県議会に判断を委ねると表明しました。これは、これまで語ってきた「存在をかけて県民に信を問う」という言葉と整合しません。再質問で、2018年の街頭演説で言った「みなさんの信を問う」の「みなさん」に県議会が含まれていたのかを確認したところ、知事は明確に答えられませんでした。私は、「県民に信を問う」とは何だったのか、その言葉の重みが今、問われていると指摘しました。以下、質疑応答●牧田柏崎刈羽原子力発電所の再稼働問題に関する県民意識調査は、設問欄に安全対策を記載しているが、安全対策を記載するのであれば、柏崎刈羽原発で起きたこれまでのトラブルや不祥事、福島事故の補償状況などのリスク情報も併記すべきであり、調査自体の公平性に疑問があるが、設問設定に関する考え方について、知事の所見を伺う。●知事牧田議員の一般質問にお答えします。まず初めに、柏崎刈羽原子力発電所の再稼働問題に関する県民意識調査の設問についてでありますが、この調査は、柏崎刈羽原発の再稼働問題に関する県民の多様な意見を把握することを目的として行いました。合わせて、これまでの国や県、東京電力による安全対策や防災対策についても問いを設け、取組がどの程度認知されているかについて確認しました。今回の設問は、このような目的に沿った適切なものと考えております。●牧田柏崎刈羽原子力発電所の再稼働問題に関する県民意識調査における調査票の配布は、本県の性別・年齢別・地域別の人口構成を踏まえて行っていることから、ウエイトバック集計による補正の必要性はないものと考える。回答しないことも意思表示であることから、県民に対してウエイトバック集計による補正前の結果の公表も行うべきと考えるが所見を伺うとともに、ウエイトバック集計による調査結果の妥当性について、知事の所見を伺う。●知事次に、県民意識調査における集計の妥当性と補正前の結果の公表についてでありますが、本調査では、再稼働問題に関する県民の意識の傾向を把握するため、国の統計調査でも行われている、人口構成に応じた重み付け、いわゆるウェイトバックによる補正を行った上で集計しており、調査結果は妥当なものと考えております。また、補正前の値は、人口構成を踏まえた県民の意識の傾向を反映したものとは言えないことから、公表することは考えておりませんが、補正に用いた係数は報告書に記載し、公表しているところです。●牧田柏崎刈羽原子力発電所の再稼働問題に関する県民意識調査の設問「再稼働の条件は現状で整っている」の回答は、「そう思う」と「どちらかというとそう思う」を合わせて37%、「そうは思わない」と「どちらかというとそうは思わない」の合計で60%となっている。さらに同調査において「避難路のさらなる整備」「放射線防護対策の整った施設のさらなる整備」「除雪体制のさらなる整備」の必要性については、「そう思う」、「どちらかといえばそう思う」を合わせると、各設問ともいずれも90%以上となっている。このことから少なくとも避難路や除雪体制の整備の完了や、放射線防護対策の整った施設が完成するまでは、現状で再稼働すべきではないという県民が多数であり、再稼働させることはできないと考えるが、知事の所見を伺う。●知事次に、柏崎刈羽原発の再稼働に関する判断についてでありますが、国から柏崎刈羽原発6号炉及び7号炉の再稼働の方針への理解要請を1年半前にいただいている状況の中、明確かつ合理的な理由もなく、法律上認められている原発の再稼働を止め続けることは限界があると考えています。こうした中、これまでに実施してきた公聴会や市町村長との懇談会、県民意識調査の結果などにより、判断に必要な材料が揃ったこと、また、原子力発電所における安全対策・防災対策に関する認知度が高い人の集団は、再稼働に肯定的な回答が多いという事実が明らかになったこと等を踏まえ判断したところです。議員ご指摘のとおり、県民意識調査の結果では、避難路のさらなる整備等防災対策を必要とする回答の割合が高かったことから、今回、それらを含む7つの項目について、国の対応を確認した上で、了解することとしております。●牧田柏崎刈羽原子力発電所の再稼働問題に関する県民意識調査の結果、UPZ8市町において過半数が「再稼働の条件は現状で整っている」という設問に否定的な回答をしている事実を知事はどう受けとめるのか、所見を伺う。●知事次に、県民意識調査における、UPZ内の市町別の調査結果についてでありますが、議員ご指摘の結果に加え、「どのような対策を行ったとしても再稼働すべきでない」という設問への回答でほぼ半数が否定的な回答であったことは、県全体と同様の傾向と受け止めています。こうした結果を踏まえると、現時点では県民の中で賛否は分かれているものと思われます。●牧田今年の6月~8月にかけて実施された公聴会の結果について、県としての分析、評価が行われていないが、この公聴会で把握した多様な意見を再稼働の判断材料とすることは適切だったのか伺うとともに、公聴会が必要だったのであれば結果についてどう分析、評価したのかを明らかにすべきと考えるが、知事の所見を伺う。●知事次に、柏崎刈羽原発の再稼働問題に関する公聴会で出された意見の取扱いについてでありますが、公聴会は、柏崎刈羽原発の再稼働問題に関する県民の多様な意見を把握するために行ったものであり、再稼働について賛成、反対、条件付賛否とする理由や背景、課題などを含めていただいた意見は、いずれも再稼働の判断材料となる貴重なものであったと考えております。公聴会で出された意見は、公述人の率直なお考えであり、県として集約しとりまとめることや、分析、評価することは考えておりません。●牧田知事は11月14日、柏崎刈羽原発を視察されたが、視察を実施した目的を伺うとともに、視察をして東京電力の安全対策や組織改革などについてどう評価したのか、知事の所見を伺う。●知事次に、柏崎刈羽原発の視察の目的と評価についてでありますが、今回の視察は、平成30年の視察後に行われた安全対策に加え、事故発生時の対応力向上のための取組や、核物質防護の不適切事案を踏まえた対応を自分自身の目で確認したいと考え、実施いたしました。視察では、福島第一原発事故の教訓を踏まえた安全対策が進められていることや、セキュリティが格段に厳しくなっていることを確認しました。また、コミュニケーションを図るための様々な工夫により、組織としての意識が高い状況にあると感じたところです。●牧田11月14日の柏崎刈羽原発の視察後、UPZ7市町の各首長との意見交換を行ったが、原発再稼働について各首長はどのような意見や要望を県に対して行ったのか伺う。●知事次に、先月行われたUPZ7市町の各首長との意見交換でいただいた意見等についてでありますが、この中で、柏崎刈羽原発の再稼働問題について、各首長から率直なご意見を聞かせていただきました。なお、この意見交換はUPZ市町側の主催で非公開で行われたものであり、各首長の発言内容について私から申し上げることは差し控えさせていただきます。●牧田知事は11月18日に福島県を訪れ、福島第一原発や帰還困難区域などを視察したが、原発事故から14年たった現地を視察した目的について伺うとともに、今もなお住民が戻れない帰還困難区域を訪れて原発事故についてどう思いを新たにしたのか伺う。●知事次に、福島第一原発や帰還困難区域の視察についてでありますが、これまで県では、柏崎刈羽原発の再稼働の議論の材料として、福島で何が起きたか等、福島第一原発事故の検証を行ってまいりました。それが今どうなっているのか、自分自身の目でも確認し、関係者の方からお話を伺いたいと考え、今回視察を実施いたしました。視察では、福島第一原発事故の影響の大きさを改めて痛感するとともに、このような事故は二度と起こしてはならないと感じたところです。●牧田知事は、柏崎刈羽原発の再稼働の判断・結論については、判断を行ったこと及びこの判断に沿って今後知事の職務を続けることについて、県議会の信任を得られるか又は不信任とされるのか判断を仰ぎたいとしている。この方法ではこれまで知事が繰り返し表明していた「『信を問う』は、存在をかけるということ。」「リーダーとして出した判断・結論に対する責任の取り方として最も明確で重い方法である。」には合致せず、県民を欺くものである。これまでの答弁で、「自らの言動については、しっかり責任を持って対応してまいります。」と述べているが、県民に「信を問う」ことと「県議会に判断を仰ぐ」ことの整合性をどう説明するのか。また、県民投票を行うべきと考えるが、知事の所見を伺う。●知事次に、柏崎刈羽原発の再稼働に対する県民に信を問う方法についてでありますが、信を問うという言葉は、多義的に使われているところはありますが、私は柏崎刈羽原発の再稼働に対する単なる賛否ではなく、私自身の存在をかけるという意味合いにおいて信を問うと申し上げてきました。この深刻で重い地域課題に対する、私の判断とこの判断に沿って今後知事の職務を続けることについて、できるだけ分断を招くことなく、熟議のうえで判断を仰ぎたいと考えたことから、県民の代表である県議会に信を問うことを最善の方法として選択したものです。再質問●牧田知事は2018年、最初の選挙戦の街頭演説で「みなさんの信を問う」「その覚悟がある」と言ったが、「みなさん」には「県議会」も含まれていたのか?●知事「記憶が定かではないが、県民といったとしたら県議会も県民の代表だと思っていた。」●牧田知事は「県民」ではなく「みなさん」と言っていた。