県立病院の経営改革と地域医療の未来:議会での議論を振り返って皆さま、未来にいがたの牧田正樹です。今回は、県立病院の経営改革や地域医療の課題について議会で議論した内容を共有します。医療を取り巻く環境は、経営課題や地域医療構想、へき地病院の役割、さらには観光や産業振興と医療の連携など、さまざまな視点から検討が必要です。議会では、県立病院経営改革推進チームの発足や、公立病院のネットワーク活用、地域特性に応じた医療機能の確保について具体的な質問と議論を行いました。特に、地域医療の現場で直面している人材不足や診療体制の課題、観光地特有の医療ニーズへの対応、そして県民の皆様に分かりやすい情報提供の在り方については、引き続き取り組むべき重要なテーマと感じています。また、医師の働き方改革がスタートする中で、県立病院がどのように対応していくのか、その影響についても注視していきたいと思います。●牧田未来にいがたの牧田正樹です。よろしくお願いします。尾身委員のほうから経営の大きな方向性についての質問がありました。私も全く同感で、局長のほうからも答弁がありましたが、県民の命を守る医療、ここを第一に考えていくということでお話がありましたけれども、ぜひそこをこれからも堅持してやっていっていただきたいと思いますし、尾身委員のほうからありました民間病院も含めての非常に赤字が多いと。ここはやっぱりきちんと公定価格、診療報酬を適正なものにしていく、そういう必要があるというふうに思います。これについては、ぜひ国にも県として強く要望をしていただきたいというふうに思います。それで、経営改革推進チームについてもだいぶ明らかになりましたので、ダブらない形で質問させてもらいたいと思うんですけれども、人数についてはまだはっきり決まっていないということだったのですが、尾身委員のほうから、4月スタートではないのではという話もあったのですが、スタート時期と、それから体制について福祉保健部と総務部と一緒にやっていくということだったんですけれども、その体制ですね、どういう課が入るのか。あと、兼務だと思うんですけれども、そういった少し形について御説明いただければと思います。●上重文夫総務課長(病院局)県立病院経営改革推進チームの組織の内容についての御質問かと思います。発足の時期については令和6年度当初からということで、4月1日からの発足ということになります。兼務の範囲の内容については、まだ庁内調整中でございますが、病院事業管理者のもとに病院局の職員に加えまして福祉保健部及び総務部合同のプロジェクトチームを設置するということで、経営改善による持続可能な県立病院の経営に向けた在り方、方策を検討、策定していくということで現在調整中というところでございます。●牧田なかなか具体的なところはまだということでありましたが、多分、総務部のほうは行政改革課のほうが入るのではないかなと予想していますけれども、ぜひですね、先ほども話がありました医療を第一にということで、あまり医療の縮小とか、そういったふうにならないようにぜひ病院局の皆さんから頑張っていただきたいというふうに思います。それで、先ほど地域医療構想との関係ということで御説明があったと思うのですけれども、私もなかなか理解ができなくて、ダブってしまうかもしれないのですが、全体としては地域医療構想が各圏域ごとにあって、民間も含めた地域全体の計画再編があって、今回のチームについては、県立の中のことだというふうに思うのですけれども、そこに福祉保健部も入っているということで、地域医療構想も見据えてというと、どういう言い方がいいのか分からないのですけれども、そこのことをよく踏まえて、県立病院についても改革をしていくということでよろしいでしょうか。●北村友紀経営企画課長この改革チームが設置されますけれども、その取組の際の地域医療構想との関係性についての御質問かと思います。基本的には、今、委員がおっしゃっているとおりというふうに考えるところでございます。県立病院の役割、在り方の検討というのは今までもずっとしてきたわけですけれども、各圏域でどんどんそういったお話が進んでいるわけですけれども、これらの議論に当然局としても積極的に参加する中で、各病院が果たすべき役割、機能についても議論されるわけで、それを踏まえながら、また福祉保健部と連携しながら、具体的にどう今後取り組んでいくのかを検討していくことになるというふうに考えているところです。●牧田分かりました。期待しておりますので、よろしくお願いします。それでは次に、公立病院の経営強化プランについて少しお聞きしたいと思います。ちょっと細かい話になって申し訳ないんですが、松代病院と十日町病院もだと思ったんですが、県立病院でなければならない理由というところで、人材の医師や看護師はじめ人材のネットワークを活用していくんだということで記載がされておりました。ただ、それが柿崎病院や中央病院については、そこの部分が記載されていないのですけれども、この間、病院局のほうからのお話で、上越全体では3割が圏域外からの異動ということも明らかになっているのですけれども、そういったことから考えると、柿崎病院や中央病院についてもネットワークが必要だという、そういった記載が必要だと思うのですけれども、そこら辺の認識はいかがでしょうか。●北村友紀経営企画課長経営強化プランにおける病院別計画の中での記載ぶりに関する御質問かと思います。委員から今御指摘いただいたとおり、必ずしも松代病院に限らず、ほかの病院においても医療スタッフに関しては、例えばこちらの新潟のほうから行っているかた、こういったかたもおられるわけで、そういった意味では、私ども考えているのは、これは個別の病院の問題というよりも全体として考えるべき問題だろうというふうにとらえておりまして、県立病院間のネットワークに関して、全体として取り組む方向の記載ぶりの中で、プラン案の中に第3章方向というのがあるんですけれども、この中で、医師、看護師、コメディカルスタッフの応援派遣など、県立病院間での連携をさらに進めるというものを、全体の取組として明記しているところでございます。なお、策定過程において、グランドデザインを踏まえた各病院の役割分担、連携の圏域内の議論を踏まえた、各病院長が考える今後の病院別の方向性みたいなものを委員会の場でプレゼンテーションしていって、病院別計画というのは、プレゼンテーションの内容を参考として、経営委員会の委員のかたから見ていただいて、個別に記載をしているということもございますので、そういった面では記載内容が全病院で統一されていない、一致していなくても、やろうとしていることに関して、今ほど言ったように、全体の中でとらえているということもございますので、支障ないんじゃないかというふうに認識しております。●牧田分かりました。すみません、さっき記載があったのは松代と妙高でした。全体としてネットワークを活用しているという、そういう認識だということで分かったんですが、特にやっぱり上越、十日町も含めて、そこだけの採用枠とかですね、看護師についてあるわけで、非常に不足をしているということもありますので、質問させていただきました。それからもう一つですね、妙高病院についてなんですが、地域産業でスキー観光客、冬季、休日、整形外科外来ということで、これをやっていますということで記載がされています。それで、妙高病院についてはスキー場があったり、それから夏の駅伝の合宿とか、そういったスポーツの観光客や合宿等が多くて、その条件といいますか、総合病院があることがそういった合宿ですとかスキーとか、そういうものに団体としては選ばれる地域というか、そういうものを条件にしているところもあるというふうに聞いています。だいぶ前ですけれども、妙高病院から整形外科がなくなるときに、地元の観光協会のかたが、それは困るということで、署名をやったり、病棟の縮小もあったわけですけれども、非常に観光協会のかたが強く、それについてはやめてほしいというような要望が出されていたのを記憶しております。そういうことからすると、こういったふうに記載されていることはいいことというか、そういうことだと思うんですけれども、ただやっぱり現場の上越地域の病院を意見交換で回らせてもらったときに、病院のほうからは、そういった地域の皆さんの医療は私たちは提供するけれども、あまり観光客とかスキー合宿とか駅伝合宿とか、そういう人たちのことはそんなに、言い方があれですけれども、重視しないというか、そこは県立病院の役割ではないというような、端的に言うとですね、そういう話があったんですけれども、そこら辺というのは病院局としてはどういうふうに考えていらっしゃるでしょうか。●北村友紀経営企画課長妙高病院に求められる、先生がお考えになっているのは多分、観光ですとか産業といったところの観点から求められる機能も含めてだと思いますが、妙高病院に求められる機能についてという御質問かと思います。県立病院、各地域で地域特性というお話をさせてもらっているところでございますけれども、妙高市に関しては、今ほど委員からお話がありましたように、夏は合宿ですとか、冬はスキー客の誘客ということでいろいろ取り組んでいるところだと思っております。そういった中で、妙高病院においては地元の要望もあって、整形外科などの対応を今まで担ってきているというふうに考えております。しかしながら、現状においては人口減少ですとか高齢化、こういった中で患者さんが減っている。また、やっぱ整形外科もそうなのですけれども、非常に医師の確保が難しくなっている。こういった状況下で安定的に医師を確保していける状態というのは非常に厳しいと、こういうところもございます。こういうような状況下の中で、地域振興の観点だと思われますけれども、こういった観点も含めて、地元の協力も得ながら、どのように対応していったらいいのか、こういったところに関しては自治体の関係者と協議していくことが必要なんではないかというふうに考えております。●牧田知事も住んでよしと、それから訪れてよしといういうのがスローガンですので、そうするとやっぱり、横連携じゃないですけれども、病院局だけ取ってみると、うーんというのはあるかもしれませんけれども、やっぱりインバウンド含めて、非常に観光が大事な地域ですので、そういう意味ではぜひそういったことも含めて、医師がなかなか整形外科はいないということも承知しているんですけれども、ぜひですね、そういう横の連携も含めて行う中で、妙高病院の在り方を考えていただきたいなというふうに思っています。それからもう一つ、最後ですが、へき地病院について24ページにあるんですけれども、地元市町村との意見交換を実施ということで記載があります。この間、地元の4病院ですか、地元の首長さんと意見交換をされてきている思うのですけれども、直近の状況、動き等がありましたら、お願いしたいと思います。●北村友紀経営企画課長いわゆるへき地病院の役割、在り方に関する地元、市、町との意見交換の状況について御質問いただきました。ちょっと個別病院ごとになって申し訳ないのですけれども、例えば松代病院に関しましては、その役割、機能に関しまして、十日町病院の今後、将来的な地域における医療、介護、こういった動向と合わせまして、十日町市役所さんなど、あるいは、医療と介護の連携というのは非常に重要になっております。また、松代病院の役割としても、やっぱり高齢のかたが多いというような特性もありますので、そういった意味で、介護のかたとの意見交換も重要だと思っておりまして、介護事業者のかたとも意見交換を行ってきたところでございます。津川病院に関しましては、経営強化プラン策定に係る経営委員会の臨時委員に阿賀町長に御就任いただいております。経営委員会の中でさまざまな角度から御意見を頂いたり、あるいはその対応ですとか調整の過程で地元の町とのほうとも意見交換を行ってきたところでございます。上越圏域の病院に関しまして、妙高と柿崎に関しましては、ここでも何度も今お話が出ていますけれども、現在、グランドデザインに基づく圏域全体の抜本的な中期の医療再編の議論が行われております。こういった中で、今後の医療圏の各病院の役割分担、連携の方向性が見えてくる中で、改めて柿崎病院、妙高病院の担う役割、機能等について、地元の市のかたと意見交換を行っていくことになると考えております。●牧田分かりました。引き続き地元の意向を尊重していただいて、協議していただければと思います。それでは次の質問ですが、新年度の予算の関係になるんですけれども、行財政基本方針、知事部局のほうで出されていますけども、これの記載の方法というか、ちょっと細かいんですけれども、一般会計の、病院局からすると繰入金になりますし、知事部局にすると繰出金になるんですが、ここの記載だけが取り上げられておりまして、実際のところは、県立病院は不採算部門になっておりますので、先ほどから出ていますように、がんセンターですとか精神もそうですし、それからへき地、あと救急ということで、不採算部門、民間ではできない医療を担っておりますので、一定の交付税措置がされているというふうに思います。今回の経営強化プランの11ページを見ていただくと詳しく出ておりまして、交付税も記載をされておりまして、基準内繰入の5割程度でしょうかね、5割か6割くらいが交付になっているかと思います。そういったものを換算すると、県の実際の持ち出しというのは少なくなるかと思います。一般繰入の額自体が間違っているわけではないので、これはこれでしょうがないんですけれども、やっぱり必要以上に一般会計からの繰入金の数字が大きく見せられるような形になっているのではないかなと思いまして、県民にもきちんと分かるように、交付税の措置の分も記載が必要ではないかなというふうに思います。これは行財政基本方針のほうなので、担当は知事部局になりますが、病院局からもぜひそういった交付税がきちんと入っているんだということを財政なり知事部局のほうにきちんと伝える中で、正確といいますか、間違っているわけじゃないんですが、そういった分かりやすい記載をしてもらうように努力する必要があるんではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。●北村友紀経営企画課長一般会計繰入金への地方交付税措置の状況について、情報提供のしかたをどうしていくのかというような御質問かと思います。委員御指摘のように、一般会計繰入金に占める地方交付税措置額を明示していくこと、これは病院事業会計における県負担について、県民の皆様の理解を得ていくうえで必要であるというふうに考えております。そういう意味におきましては、今回の経営強化プランで私どもが明示したような形で出していくというのは非常に大切なのかなというふうに思っております。そういったことも踏まえまして、関係する部局ですね、例えば行政改革課になるのか、財政課になるのか分かりませんけれども、そういった担当課ともそういった点についてまた意見交換してみたいと思っております。なお、先ほど先生から交付税の措置率についてのお話があったのですけれども、こちらに関してですが、実際のところは、大体4割が交付税措置というふうにいわれておりまして、残りの6割は県の純一財というのでしょうかね、一般会計、税収等からの御負担を頂いているというような状況になっております。●牧田よろしくお願いします。今、基準内の繰り入れの4割程度ということでお話がありました。ここですね、先ほどの診療報酬もそうなのですけれども、やっぱり不採算部門をやっているわけですので、基準内繰入、全部とはいいませんけれども、もう少し国からの支援があってもいいんではないかなと思っています。政府に毎年県のほうで要望していますけれども、私の見る範囲では、医療再編のための交付税の増額とかそういった記載はあるのですけれども、通常の県立病院の運営に係る支援の強化というか、交付税措置の増額とか、そこは多分入っていないんじゃないかと思うので、ぜひですね要望していただきたいというふうに思います。答弁はいいです。よろしくお願いします。それから次はですね、加茂、吉田病院のいよいよ運営移行が近づいてきました。先ほど、加茂病院についての説明を頂きまして、2月18日には説明会も開いているということです。さっきの報告でもまだ予定とかというのには入っていまして、決まっていないところもまだあるのかなと思っていますし、現場からするとですね、非常にまだ準備状況が遅れているというような話もあったんですけれども、その点だけ、今どういう状況なのか、御説明いただければと思います。●北村友紀経営企画課長県立加茂病院、吉田病院の指定管理移行に向けた準備状況について御質問いただきました。まず、病院のほうでは先行して指定管理者の職員が先行配置という形ですでに配置が始まっておりまして、OJTによる業務の引き継ぎ等が行われているところでございます。また、移行に向けて事務手続も含めて漏れがないようにする必要性があると考えております。こういった点に関しましては、指定管理者、病院、病院局など関係者で各種課題の対応に係る打ち合わせを随時行っているところでございます。併せて、地域住民のかたにも指定管理移行後の運営、診療体制等について理解を頂いて、心配、不安を解消することが重要だというふうに考えていることから、先ほど委員からもお話がありましたが、つい最近、2月は加茂病院、昨年の12月には吉田病院のほうで住民説明会を開催させていただいたところでございます。今後も患者様、住民への周知の一環として丁寧な説明、情報発信、こういったものに取り組んでいきたいと考えております。●牧田よろしくお願いします。4月以降、移行してもですね、きちんとまた、私が言うことでもないんですけれども、局が責任を持って医療水準のチェック等、また法人とも意思疎通をしながら、ぜひよろしくお願いしたいと思います。 最後になりますが、ちょっと漠然とした不安というか、4月から医師の働き方改革の制度がスタートしますけれども、県立病院において、この改革によっての影響といいますか、何か変わるところといいますか、そういったところがあるのか、今までどおりで受診等も大丈夫ですよということなのか、その点だけお聞かせいただければと思います。