新潟県議会2月議会において、厚生環境委員会(環境局)担当者から現状の評価と今後の対策を問いました。主なテーマは以下の通りです。脱炭素条例と推進計画の位置づけ新たな脱炭素条例の推進計画は、従来の地球温暖化対策地域推進計画と一体運用。国の方針や計画の見直しに合わせて県の計画も見直す方針。環境教育の推進学校での環境教育や、県のウェブサイト・イベント・資料を活用し、子どもや事業者への脱炭素の啓発を強化。関係機関と連携し、分かりやすい資料作成や支援策を進める。中小企業への脱炭素支援コストやメリット面で課題を感じる中小企業への支援を強化。省エネ・脱炭素設備導入や、補助制度拡充などで取り組みを後押し。3R(リデュース・リユース・リサイクル)施策リサイクル施設や再生品活用の補助を拡充。特にリデュース(ごみの発生抑制)への支援も強化し、県民の意識改革や過剰包装削減などの取組を推進。雪国型ZEH(ゼロ・エネルギー住宅)と太陽光発電の普及雪国型ZEH導入補助は申請件数が増加し、来年度も拡充予定。県有施設への太陽光発電(PPAモデル)も順次拡大中。ただし、施設ごとの電気使用量や屋根構造の課題あり。●牧田非常にやりにくいんですけれども、やらせていただきたいと思います。今、局長のほうからも県民の未来を作る仕事をしていくということでお話がありましたが、まさに脱炭素の社会をどういうふうに作っていくかということについては、柄沢委員からも大所高所にわたった議論が今されたと思っていますけれども、なかなか答えが出ないのかなと思っているんですが、私もその議論の、ほんの細かい質問になりますけども、させていただきたいというふうに思っています。最初に、条例の関係で2点お聞きしたいと思っているんですが、まず、第7条で推進計画の策定ということが書かれております。計画については今日の資料にもありましたが、県の総合計画の中にも環境の部分は入っていますし、もう一つは、地球温暖化対策地域推進計画でしょうかね、法定計画になっていると思うんですけれども、そういう計画がある中で、この条例がこれからできて、その中で、また推進計画を作っていくということなんですけども、三つの計画の関係というか、新しくできる条例の中の推進計画も含めて、どういう立てつけといいますか、どういう関係になっていくのか、少しお願いしたいというふうに思います。●陶山将人環境政策課長脱炭素条例、それから推進計画、総合計画の関係ということでございますが、委員から今御指摘ございました、本議会でお諮りしております脱炭素社会の実現に関する条例の第7条に規定しております推進計画についてでありますけれども、この条例で定めることとしております推進計画につきましては、地球温暖化対策推進法に基づき、県がすでに策定しております新潟県地球温暖化対策地域推進計画、これを充てるということで考えておりまして、この計画によりまして脱炭素社会の実現に関する施策を総合的かつ計画的に推進してまいるものです。なお、現在、改定を進めております県の総合計画案につきましても、脱炭素社会への転換を分野横断的に対応すべき重要課題の一つとして掲げておりまして、推進計画につきましては、この総合計画案とも整合を図ってまいりたいと考えているところです。●牧田この条例の推進計画については法定計画と同じということで理解したところです。そうすると、これで質問が終わっちゃうのかもしれないんですが、これまでもこの法定計画というのは国の計画に相当影響というか、国が変わるとこの計画も変わってきているんじゃないかと、2回くらい変わってきていると思うんですけども、大前提の50年にカーボンゼロということでなっておりますけども、これについては国との関係の中で見直し等もされる可能性もあるし、それがイコールなんですけれども、条例の推進計画になるということでよろしいでしょうか。●陶山将人環境政策課長国の地球温暖化対策推進計画との関係でございますけれども、先般、国の地球温暖化対策推進計画が新たな計画が閣議決定されておりまして、改定計画では、2030年度目標、それから2050年ネットゼロを結ぶ直線的な経路をたゆまず着実に歩んでいくとしまして、これまでの目標と比べまして35年度、それから40年度の削減目標を追加したものと承知しているところです。県では今、その内容を精査しているところでありまして、今後、今回お諮りしている条例ですとか、総合計画案も踏まえまして、必要に応じて、新潟県の地球温暖化対策地域推進計画の見直しについて検討してまいりたいと考えております。●牧田分かりました。次に、第18条に環境教育の推進というのがあります。非常に大事な項目ではあると思うんですけども、実際は環境教育というのを進めていくのは非常に大変かなというふうにも思っているところです。教育庁のほうでも、教育委員会ですかね、環境教育の推進ということで事業の中に入れてやっていただいているというか、やっているというふうに思うんですけども、この条例の18条に入っているわけですけども、具体的にはこれまでとどういうふうに違うのか、同じなのかあれですけども、より推進していかなきゃいけないというふうに思っているんですけども、どういうふうに進めていく予定かお願いしたいというふうに思います。●陶山将人環境政策課長脱炭素社会の実現に向けました環境教育の推進等についての御質問でありますけれども、現在、学校現場におきましては、小学6年生、それから中学3年生の理科で地球温暖化問題を扱って、人間と自然環境とのかかわりについて学習を行うと。そのほか、多くの小中学校で省エネですとかリサイクルなどの環境保全活動に積極的に取り組んでいると。また、高等学校におきましては地理、歴史、公民、理科など、環境について学習するとともに、農業や工業などの専門科目の中では各産業界に関連する環境問題の調査や研究に取り組んでいるということ。また、総合的な探究の時間などにおいて、SDGsをテーマにした探究学習に取り組む学校も増えてきていると、このように聞いているところであります。環境局では、小中学生等が脱炭素について正しい理解を深められますよう、県のウェブサイト、脱炭素ポータルサイトがございますけれども、こういったことなどで日常生活でできる取組の紹介ですとか、学習啓発用の資料などの提供を行ったり、地球温暖化防止活動推進センターや地球温暖化防止活動推進員によります学校での環境学習会などの開催、それから地元新聞社と連携しまして脱炭素につながる情報を新聞紙面ですとかイベント、サイトですとかSNSを通じて発信すると、こういった取組をしているところでございます。また、事業者に対しては脱炭素社会への転換を支援をするため、新潟県事業者支援、脱炭素推進プラットフォームの構成機関と連携いたしまして、セミナーの開催ですとか各種支援情報の提供などの取組を進めているところです。条例制定を踏まえまして、教育現場、市町村、地球温暖化防止活動推進センター、関係機関との連携を強化いたしまして、脱炭素型のライフスタイルへの転換及び事業者の脱炭素経営の転換に向けまして、効果的で分かりやすい啓発資料の作成、活用などの取組を引き続き進めてまいりたいと考えております。●牧田ありがとうございました。ぜひまたより強力に進めていっていただきたいと思うんですが、事業者のほうで環境審議会の条例に関しての審議の中で、取組状況調査ですかね、その結果で、特に中小企業が脱炭素化の取組を必要と考えていないとか、どちらかといえば必要と考えていないという事業者が4分の1もいるという結果が出たということでした。理由としてはやはりコストがかかるとか、取り組むメリットを感じないということで、多分、必要性は感じていると思うんですけども、先ほどの柄沢委員の話にもありましたが、やっぱりコストがかかったりして、営業のメリットがないというか、逆に損失が大きいというような点もあって、必要と考えていないという答えになってしまうんだろうなと思いました。そこで、いろいろ支援もされていると思うんですけども、今、プラットフォームとかという話もありましたが、ぜひこの部分をやはりこれからも強力にまた支援といいますか、特に中小企業ですね、脱炭素の取組に向けて支援をお願いしたいというふうに思うんですけれども、お考えをお聞かせいただきたいというふうに思います。●陶山将人環境政策課長プラットフォーム等を通じまして、中小企業、事業者への脱炭素経営の支援ということの質問かと思いますけれども、来年度、新たに中小企業のSBT、脱炭素についての目標を掲げて、それに向かって取り組んでいくといった取組がございますけれども、それについて支援をしていくという事業を立ち上げて、中小事業者のかたが脱炭素経営により取り組んでいただけるように取組をやってまいりたいと思います。それから、産業労働部の取組になりますけれども、どちらかというと、エネルギー、原油価格高騰という観点もあるのですけれど、今回も2月冒頭で省エネ設備の導入に当たって補助を行うというものがございますので、こういった事業も合わせまして、中小事業者の皆様が脱炭素経営あるいは省エネも含めてですけれども、そういうことに取り組んでいただけるように努めてまいりたいと考えております。●牧田私、今の答弁で分からなかったのですが、3Rの関係ということでしたっけ。それとは違うんですね。●陶山将人環境政策課長3R、資源循環推進課の事業はまたあるんですけれども、ここ数年、中小事業者のかたがエネルギー価格高騰とか原材料高騰というような状況を踏まえて、国から予算がつくという面もあるのですけども、例えば中小事業者のかたが空調設備ですとか、冷凍設備とか、そういうものを購入するときに3分の2とか4分の3といった上限があるのですけれども、そういった額を支援して、より効率がよくて省エネにつながるような機器の購入を促進するような補助制度が産業労働部のほうですけれどもあるということでございます。●牧田分かりました。すみませんでした。3Rのほうを私、話したので、その取組1点お願いしたいと思うんですけども、ごみゼロ社会を目指した資源循環推進事業の中で、3R取組企業育成事業と支援事業というのがありまして、継続だと思うんですけども、予算的には総額では減っているんですが、拡充ということになっているわけですけども、ここがどういうふうに拡充されるのか、少し御説明いただければと思います。●南直樹資源循環推進課長今、委員から御質問のありました3R取組企業支援事業の拡充について御説明させていただきます。本事業は、廃棄物の発生抑制などを図るためにリサイクル施設の整備等に関する補助をしてきたものでございます。これまで県は産業廃棄物の発生抑制や再生利用の促進に向けて廃棄物処理事業者などに対してリサイクル施設の導入支援を行ってきたところですけれども、このたび、製造から廃棄までライフスタイル全体での取組を進めていく必要があるという観点から、新たな補助メニューを設けて拡充をしたところでございます。この拡充する内容といたしましては、支援の対象を製造事業者などにも拡大いたしまして、製造事業者や排出事業者などが自ら、又は連携をして、新たな資源の循環利用や環境に配慮した設計の製品製造等に取り組む場合に補助をするという計画でございます。具体的には、製造事業者等による再生品を活用した製品の開発とか、製品が廃棄時に分解しやすく、リサイクルしやすいものを開発するなどの事業に対して補助することを想定しております。本事業を通じまして、これらに取り組む事業者が増えていくこと、また、これらの事業者の取組を広く紹介して資源循環が広まるように取り組んでまいりたいと考えております。●牧田 分かりました。3Rどれも大事だというふうに思っているんですが、特にリデュースですね。ごみを減らすということなんですども、ここの取組が今どういうふうな支援になっているのか、私も具体的に分からないんですが、外国とか行くと、果物とかも、日本もだいぶ始まってきましたけども、小売りになって袋の中に入っていないとか、肉もトレーに入っていないで袋だけとか、そういったものもありますけれど、まだまだやっぱりトレーに入っているのが多いですし、やっぱりそっちのほうが買いやすいというか、私たちの意識も含めて、まだ変わりきっていない部分もあるのかなというふうに思っているんですが、やっぱり衛生面とかそういうのもいろいろあるんでしょうけども、そういった小売りとかそういったものについてももう少しやっぱり力を入れていくべきではないかなというふうに思います。リサイクルとかリユースも大事なんですけれども、その前のリデュースをしていくということが大事になってくると思うのですけれども、そういったものに対する支援の現状とか、今回の新しい製造とか排出のところの事業には入っていないような気がするんですけども、今後の見通しといいますか、そういった事業に対する考え方とかをお願いしたいというふうに思います。●南直樹資源循環推進課長リデュースの取組の強化ということでございますけれども、委員御指摘のとおり、3Rの取組についてはリデュース、リユース、リサイクルという順番でございまして、優先順位でもこの順番に進めていこうということでございますので、最も優先すべき取組が委員御指摘のリデュースだというふうにとらえられています。リデュースの取組について県はこれまで、レジ袋削減のためには、今はだいぶ浸透しましたけれども、マイバッグの持参の呼びかけとか、旅館ホテル組合と連携いたしまして、ホテル等で提供されるアメニティの使い捨てプラスチックの削減の呼びかけとか、それから消費期限切れによる食品の廃棄を減らすために、すぐ食べるときは手前から取るというてまえどりという取組などを一緒にやってきたところでございます。来年度から、先ほど申し上げた3R取組企業支援事業において、例えば委員から御指摘があった、スーパーなどで使用される容器包装に関しましても、プラスチック製造事業者がプラスチックの使用量が少なく、厚みの薄い容器を開発するとか、そういった研究とかがこの補助事業の対象となるということで、スーパー等での取組にもこの事業が寄与するものというふうに考えております。県といたしましては、食品ロス削減などの3R普及推進事業というのもございますので、こういった事業を通じて、過剰包装の商品を選ばないなど、県民が身近で実践できるリデュースの取組が一層進みますよう、取組を強化してまいりたいと考えております。●牧田ぜひよろしくお願いします。それでは次に、雪国型ZEHの取組なんですけども、昨年度から進められてきたと思いますけども、今年度の実績と申込数といいますか、オーバーしたのかとか、昨年に比べての変化とか、その辺お願いしたいというふうに思います。●陶山将人環境政策課長雪国型ZEHに係る取組の御質問についてでございます。今年度の雪国型ZEHの導入促進補助の申請件数なんですけれども、93件ございまして、昨年度の実績72件を上回ります件数の申請を頂きました。それで、9月末で予算額に達しまして申請受付を終了しているところです。本県の家庭部門の脱炭素化に向けてはですね、住宅の省エネ化は重要でございまして、引き続き雪国型ZEHの導入補助ですとか、事業者、県民への支援等を行っていく必要があると考えているところです。そのため、来年度も引き続きですね、今年度設立いたしました雪国型ZEH推進協議会の構成機関ですとか、雪国型ZEHの建築、販売に積極的に取り組む雪国型ZEHビルダー・プランナー等と連携いたしまして、雪国型ZEHのさらなる普及促進に取り組んでまいりたいと考えております。●牧田9月に予算に達してしまったということなんですけれども、来年度に向けてですね、調べていなくて申し訳ないんですが、交付件数とかその辺、拡充されているのかどうか、お願いしたいというふうに思います。●陶山将人環境政策課長来年度の想定ということでございますけれども、この雪国型ZEHのですね、導入促進補助につきましては国の交付金、こちらを活用してございます。来年度につきましてはですね、今年度の申請件数、先ほど93件と申し上げましたが、それ以上の件数を目指しまして、現在国の交付金の申請をしているところでございます。●牧田分かりました。これも拡充ができるようにまた努力いただければと思います。最後にPPAモデルによる県有施設への太陽光発電設備の導入状況、現在の状況をお願いしたいというふうに思います。●陶山将人環境政策課長PPAモデルによりますと、県有施設への太陽光発電設備の導入状況についてでございます。今年度は5施設、県庁舎の車庫棟ですとか、新潟地域振興局新津庁舎、長岡地域振興局、運転免許センターの聖籠、それから新潟東警察署、これらの5施設についてですねPPA事業者と契約を締結しておりまして、次年度から順次発電を開始する予定となっております。●牧田次年度から発電ということなんですが、なかなか雪国ということもあって、5施設ってどうなのかなというふうには、努力されて5施設なんだというふうに思うんですけれども、課題とかですね、ほかへの拡大に向けての状況というか、今もいろいろ苦労されていると思うんですけれども、その点についてお聞かせいただければと思います。●陶山将人環境政策課長PPAについての課題ということでございます。国の交付金を活用しながらですね、幾つかの施設でモデル的に導入を進めているところですけれども、施設の閉庁日に電気使用料が少ないということですとか、屋根構造、陸屋根ということで、平らな屋根とかになったりして、工事費が結果的に高額になるといった課題などが挙げられます。ですので電気使用料が多くてですね、かつ一定になる県有施設、具体的に言うと下水処理場などになるんですけれども、こういったところでの設置を検討するなど、今対応を検討しているところでございます。今後とも、各施設の管理者と十分協議したうえで、準備の整った施設から順次PPAモデルによる太陽光設備の導入を進めてまいりたいと考えているところです。●牧田今の5施設、東警察については、土日になると勤務体制縮小なんでしょうか、電気代は少なくなると思うんですけど、ほかは特にそういう状況になると思うんですが、その休日の時の電気というのは、どういうふうになっているのか、お聞かせください。●陶山将人環境政策課長PPAモデルということになりますので、事業者が例えば県庁でも警察署でもそうですけれども、休日の使用が少ないところとかというのも含めて、供給できて電気料金の中に収まる部分ということでやっておりますので、ちょっと具体の試算はそれぞれケースバイケースになるかと思いますけれども、休日の分である程度、太陽光発電で出たものを賄えるレベルにしておいて、例えば平日で量が多いときには、さらにいろんなところから、普通の電力事業者から買ってくるといったようなやりくりになろうかと思います。例えば東警察署とかそういったものでもですね、 100パーセントこのPPA事業で電力を賄うということにはなりませんので、例えば今試算しているところですと、運転免許センターとか東警察署でいうと、15パーセントから20パーセントぐらいの間、全体の電気利用料の中の、その中に収めるといった具合の規模になっております。そういった形の運用を考えております。●牧田すみません。勉強不足であれなんですけど、確認なんですが、いちばん電気の必要な量の最低限に合わせて、設備を造って、平日のいちばん電気の必要なときは、ほかから電気を買うというか、そういう仕組みになっているという、それがPPAモデルということでよろしいでしょうか。●陶山将人環境政策課長非常にざっくりというか、概要的に申し上げたので細かいところで見ると、要は賄える以上の電気が出た場合に、若干売電するとかいった要素も含めて、トータルの中でということになるかと思いますけど、必ずしも最大限のところで全部取ってという形ではないということで、太陽光設備を置いた所で、最大限面積を置けるだけ置いて、できるだけ発電してという発想ではないというところで、やっているというところであります。