志賀原発に関する現状と課題:私たちが直面する防災の課題今回の質疑では、志賀原発を巡る課題や現状について議会で議論された内容を基に整理しました。特に注目したのは、放射線防護施設の整備状況やモニタリングポストの老朽化、避難計画の見直しの必要性についてです。また、複合災害への備えや、国と自治体の責任分担のあり方についても多くの課題が浮き彫りになっています。これらの問題に対して、私たちはどのように備え、改善を進めるべきなのでしょうか。ぜひ最後までお読みいただき、防災の重要性について一緒に考えていただければと思います。●牧田それでは、私のほうからも原子力災害について4点くらいお聞きしたいと思います。今、いろいろ議論もされているところなんですけれども、今回の志賀原発については、1号機冷却ポンプが40分ほど、1号の燃料プールですね、40分ほど停止をしているということが報道されています。今回、10年くらい、10年以上原発が止まっていて、燃料棒も冷やされていますので、すぐ熱くなることはなかったわけですけれども、もし、原発が動いていれば大変な事故になったかもしれないということを考えております。そういう中で何点か質問させてもらいたいと思うんですけれども、予算の関連で3点お聞きしたいと思います。一つは、放射線防護対策費です。今も議論があったところですが、今回の地震で、志賀原発から30キロ圏内に21の放射線防護施設があると思うのですけれども、六つの施設で損傷や異常が確認されております。内2施設については、使えずに閉鎖をして、要配慮者を守る役割が果たせなかったというおそれがあるというふうに報じられております。県内には放射線防護施設が17か所、今、整備あるいは整備中だというふうに思いますけれども、令和3年度に整備が予定されていた施設が、決算委員会で質問もさせてもらいましたが、課税上の問題で整備できないということも明らかになっております。来年度予算では、本年度の当初予算よりも 2,500万円少ない4億 9,800万円が計上されていますけれども、想定される要配慮者を収容できる施設整備はいつごろ完了するのか、まずお伺いいたしたいと思います。全体の施設数と整備済みの施設をお聞かせいただきたいと思います。併せてお願いします。●金子信之原子力安全対策課長まず一つ誤解を解かなければいけないなと思っていますのは、核防護施設、今委員のおっしゃった施設については、そもそも何施設整備しなきゃいけなくて、今、途中これくらいだというものではございません。基本的に、いわゆる先ほど皆川委員にもお示ししましたけれども、国の補助金があって10分の10の補助金ですけれども、基本的に10キロ圏内にある施設で、要配慮者が屋内退避をするような施設とか、あと、自治体がそれぞれコミュニティセンターみたいなところというところが該当になるということで、そこを手挙げ方式でやるというのが一つ。それから、10キロを超えて30キロ圏内のところで、孤立になるような可能性があるところで、同じような施設については対象になるというのがございまして、我々地道にそういった対象になるところについては、補助金を使って整備しませんかというところを働きかけてきた結果、今、委員がおっしゃったように、17施設が整備又は整備中という状況でございます。ただ、そこをさらに増やしていくべくいろいろな課題を抱えている施設がありますので、丁寧に相談を受けながらやっているというのは事実でございます。それから、一つは課税の問題、固定資産税の問題で断念したという話は、今後の新潟県の問題だけじゃなくて、全国的にも今後影響が出るだろうという問題だったのですけれども、社会福祉法人が運営する介護施設、福祉施設でしたら非課税になるところが、たまたま途中まで整備が進んで話が進んでいたところが、株式会社が運営するところでして、そこがなかなか非課税対象にならないというような地方税法上の問題もあって、そういう問題が実は今回の補助金の大もとを持っている内閣府さんも、そこは多分盲点だったんだと思います。ただ今後、こういう施設を広げていくときに、そういったことが足かせになるのであればというところで、私どもの県の要望、知事会での要望、原発協での要望という形で広げて、国にぶつけているという状況でございますので、そこはやっぱり機会があるごとに言っていますし、そういう団体も通じて要望しているということでございますけれども、なかなか内閣府だけの問題ではなさそうでして、厳しいのですけれども、そこはやっぱり今後の保有施設を増やしていくためには、どうしてもクリアしていかなければいけない問題だと声を大にして言い続けていますし、今後とも働きかけてまいりたいというふうに考えているところでございます。●牧田最後の部分は要望もしているということで、承知もしておりますが、地方税法特例といいますか、例外を作ればそれでいいことなので、すぐやろうと思えばできると思うのですが、ぜひそこは強く要望してもらいたいと思うのですけれども、私もちょっと勘違いがあって、幾つ整備しなければいけないというのはないということで、それは分かったのですけれども、要配慮者との関係等から、やはりどれくらいの施設が必要かというのは、試算とかそういうのはされていないのか、お聞きしたいと思います。●金子信之原子力安全対策課長基本的には屋内退避または避難するというところになりますので、要避難者につきましては、通常のかたよりも早めに避難するという一つの経過がございます。ただ、避難することのほうがリスクが高い場合は屋内退避というところの考え方がございますので、一概に、これだけ屋内退避するからというところの試算はなかなか難しいのですけれども、できる限り多く整備するというところの概念の中で、福祉施設又は市なり自治体が持っているコミュニティセンターとかそういうところを増やしながら、そういった施設を増やしていくという考え方の中で今取り組んでいるというところでございます。●牧田分かりました。たしか、決算委員会ではあと十強というような施設数だったというふうに思うのですけれども、順次進めていただきたいというふうに思います。それで、今回の地震で整備された施設が、能登のほうですけれども、損傷して使用できなかったというところがあったわけですけれども、これについて規制委員会のほうは、施設の耐震化などについては論点としないというふうにも報じられております。陽圧というのでしょうか、放射線の防護対策が施されていても、地震により使用できなければ避難もすることができないわけなので、そこの整備済みの施設を含めた耐震化、これは現状等、まだまだ未整備の耐震化の進んでいないところがあれば、どれくらい、どういうふうに進めていくのか、伺いたいと思います。●金子信之原子力安全対策課長能登半島地震でこういった施設、放射線防護対策施設のところもかなり影響あったというところの報道で、今お話があったというふうに理解しておりますけれども、放射線防護対策施設の耐震化ということにつきましては、国の事業では、補助対象になるためにはまず建築年月を確認して、新耐震設計法の基準に適合して建築された施設、又は耐震診断により同等の耐震性能が認められた施設であることが要件となっています。今、難しい話で言いましたけれども、これ具体的に言いますと、震度6強に達する程度の地震で倒壊、崩壊しないことという形で建てられた建物が、基本的にこの事業の対象施設になります。能登半島地震のところもそれに該当した建物だったのですけれども、確かに私も報道で知る限りでしかありませんけれども、倒壊や崩壊には至っていないのですけれども、例えば、地下にあった浄化槽とかそういうところが使えなくなったとかというところで、なかなかその施設で屋内退避ができなかったというふうな報道があると聞いています。そういった意味で、こういった条件もあって、今、この事業の耐震化については制度としてはできあがっているというところでございます。●牧田6強に耐えられる設計ということなんですけれども、やっぱり現実はなかなかそういう基準でも難しい部分もあったんだというふうに思います。現実使えないということなので、何て言ったらいいんでしょうか、予定どおり使えないということが明らかになったのではないかなというふうに思っています。 次の質問ですけれども、監視施設設備等の整備費です。モニターだと思うのですけれども、これについては令和5年度の当初予算が 6,700万円なんですけれども、今回の予算では2億 6,400万円ということで大幅に増えておりますが、この整備の内容と理由といいますか、内容についてお伺いしたいと思います。●金子信之原子力安全対策課長監視施設設備等の整備費がかなり当初予算額で昨年よりも多いというような内容でございますけれども、これはたまたま老朽化した緊急時用のモニタリングポストの更新ということになるのですけれども、緊急時用のポストが 100以上ある中で、ちょうど令和6年度が更新に当たるものが多かったということになります。やっぱり、モニタリングポストもしっかりと通常維持管理されて、ちゃんと機能を果たすということのためには、計画的に更新していくことが大事だと考えておりますので、たまたまそこが、更新する台数が多い年が、令和6年だというというところでございます。●牧田分かりました。これも志賀の原発ですけれども、モニタリングポスト自体は損傷していないのですけれども、データを送る伝送ですかね、そこがやられて、 116の内18でトラブルがあったということで、そこについては、放射線量の測定がすぐできなかったということも報じられております。今回の整備では、そういった伝送も補強するだとか、そういうことも志賀のことも踏まえてやられるのか、お伺いしたいというふうに思います。●金子信之原子力安全対策課長委員おっしゃったように、監視施設のモニタリングポストのデータの伝送については、だいぶ前から多重化という形で、一つが壊れても一つで通信できるというところを重点的に整備してきた中で、石川県の事例はこの多重化だったのですけれども、有線と携帯の2種の多様化だったものですから、どっちみち地上にある施設がやられるとできなかったということになります。わが県の、うちのほうのやつは、有線と衛星の2種で多様化していますので、そういう意味では、石川県との違いは、衛星がある、ないの違いはあるのかなと思います。そういうことでいうと、かなりこの問題は規制庁のほうでも問題意識を持っていて、多重化の中でも衛星というところの重要性というのはかなり見てもらえている部分でございますので、そもそもそこについては、うちの県は衛星という回線を一つ使って多様化しているというところにすれば、そういう対策はできているのかなというふうには考えているところではございます。●牧田分かりました。次に、3点めですけれども、県民との情報共有ということでお伺いしたいと思います。12月の定例会の答弁で知事が、三つの検証において県民の皆様と情報共有することは重要であり、今後、県発行の広報誌による広報も行うこととしており、引き続き県民の皆様との情報共有を図ってまいりますというふうに述べていらっしゃいます。知事は再稼働の議論が始まっているとの認識を示していると思いますけれども、県民との情報共有というのは重要だというふうに思います。再稼働の是非にかかわらず、県民に三つの検証だけではなくて、柏崎刈羽原発に関する情報を積極的に知らせるべきだというふうに思いますけれども、今回の原子力安全広報等対策費については、令和5年度当初予算と同額の 8,800万円ということになっております。県民と十分な情報共有をどのように図っていくのか、お伺いしたいというふうに思います。●金子信之原子力安全対策課長広報等につきましては、三つの検証とか柏崎刈羽原発に関する県の取組に関する広報という形で、これまでもやってまいりましたけれども、委員がおっしゃった12月議会の答弁後に、広報誌、県民だよりとか原子力だよりを使って広く県民の皆様にいろいろお知らせをしてきているというのが、新規では、その後の動きとしてはございます。この前の説明会の話で言いますれば、11月に次いで12月25日に説明会を行いまして、その件についてもホームページに動画を載せたり、県民だよりにも情報を載せたり、いろいろ広報に努めているというところでございます。これまで新聞広告とか県ホームページの掲載、広報誌の原子力だよりという形で、いろいろ柏崎刈羽原発に関する県の取組について広報を行ってまいりましたけれども、限られた予算ではございますけれども、必要に応じてこの予算を工夫しながら、周知にこれからもいろいろな媒体を使いながら、適切に内容を分かりやすく、適切な時期を考えながら広報してまいりたいというふうに考えてございます。●牧田引き続きぜひよろしくお願いしたいと思うのですけれども、直接県の主催ではないんですが、この間参加させてもらいました長岡での東電の説明会なんですけれども、事前に知らされていない中で、一人1分、1問という制限が加えられて、なかなか1分でしゃべるというのは難しいなというふうに思っているのですけれども、時間がない中で、多くの人から発言してもらいたいという趣旨も分かるのですけれども、ぜひですね、広報も含めてですが、県民の意見をきちんと聞いてもらうことも含めてお願いをしたいというふうに思います。最後になりますが、避難計画の見直しについてです。これは一般質問でもさせてもらいましたし、今日も議論もされております。少し分かってきた部分もあるのですけれども、本会議の答弁では、国の原子力災害対策指針の見直しの検討を踏まえて、県の広域避難計画も必要に応じて見直していくということで、規制委員会の検討を始めている内容を待たないと、何をどう見直すのか分からないということでおっしゃっております。今の議論で、順次出された部分は、国が見直ししてきた部分については、県もその都度、見直していきたいというような課長の答弁だったというふうに承知をしているんですけれども、避難の関係でいくと、やはり避難委員会が 456の論点として整理をして、 238の課題が指摘されております。非常にここの中で、屋内退避に関する情報提供ですとか、それから複合災害における屋内退避の考え方等で多くの項目が出されておりまして、それぞれ取組状況というのもあるわけですけれども、例えばそのほかの項目になりますけれども、地震、津波により指定緊急避難場所等の安全が確保できる場所にいったん集まったあとの行動をだれが判断し、指示するのか、整理が必要というような論点については、国の避難指示等を踏まえて、現場の状況に応じて対応という非常に抽象的な、その場になってみないと分からんということだと思うのですけれども、そういうことも踏まえて、やはり国の指針が出ないとできない部分もあるのかもしれないのですけれども、ちょっと繰り返しになるかもしれませんが、やはりここについては、避難委員会を立ち上げるかどうかは別にしても、立ち上げてもらえればいちばん、やはり専門家が集まって議論するのがいいのかというふうに思うのですけれども、ここはやっぱり国の指針の見直しを待たずに早くしたほうがいいのではないかというふうに思うのですけれども、改めてお願いしたいというふうに思います。●金子信之原子力安全対策課長◎金子信之原子力安全対策課長 先ほど、皆川委員にお答えしたとおりなんですけれども、どこをどう見て、どこをどう触っていくかみたいなところにつきましても、まずはこれからそれなりの専門家なり、チームを作って検討するというところで言っておりますので、やはり私どもも避難計画等、大もとのその計画、やっぱりその指針に基づくことがけっこう多々ありますので、まずそこの動きを、まずは注視していきたいと。で、終わるまで何もしないというよりは、まずはちょっと動き始めてその中身を見ながら、方向性を見ながら、できるのが出てくるのであれば、その都度考えていきたいなと思うし、まずは、これから始まるというところを注視していきたいというふうに思っているところでございます。●牧田一般質問の中で、最後に知事のほうにですね、規制委員会のほうは、自然災害については、自然災害の対応は範疇外というようなことで、規制委員会の中での議論がされたということでお話をしてもらって、それではやっぱり今回の指針の見直しはですね、机上の空論というか、意味がないんではないかというような話もさせてもらいました。担当課として、その今回の、これもさっき出たかもしれないんですけれども、指針の見直しで自然災害は考慮しないと、ただ、避難のですね、時間とか時期とかですね、そういうことだけに限っているんじゃないかと思うんですけれども、防災局としてはどういうふうにとらえているのか、再度お聞きしたいというふうに思います。●金子信之原子力安全対策課長◎金子信之原子力安全対策課長 牧田委員が一般質問でお話ししたものを聞いておりましたけれども、新聞報道されていた、その山中委員長が震災は範疇外と言った部分の報道につきましても、一応私も報道は目にしておりますけれども、その大もとになったのが多分記者会見のときのコメントだったと思います。そこは、かなり切り取られていたように思いますので、ちょっとだけ私の知る範囲でお答えさせていただければ、この山中委員長、記者会見の中で、家屋の倒壊や道路の寸断による孤立化などが発生したことへの対応は、内閣府で調査し、自然災害に対する防災として反映されるべきという趣旨で、発言された中で、自然災害がその災害対策指針の範疇でないよというふうにおっしゃったというふうには理解しております。そのうえで、併せて原子力災害対策の実施については、一般災害対策と連携して対応していく必要があるということも発言していらっしゃいます。そういうことを頭に置きながら、先ほど皆川委員にもお伝えしましたけれども、もともとこの自然災害、複合災害については、災害対策基本法の40条で規定する、国が作る防災基本計画等に基づいて策定されていることに基づいて、県の計画もできておりますので、トータルして県の計画は、この部分も含めて考えていますよということを言ったというところでございます。●牧田私もその議事録とかは手に入らないので、ちょっとわからないのですが、定例会合の中で山中委員長がこの見直しに向けてですね、これも、やっぱりその後の記者会見なんですけども、能登半島地震への対応に問題はないということで述べてですね、大幅な見直しにはならない考えを示したと。多数の家屋倒壊や道路寸断が発生したことを踏まえた見直しの必要性を問われても、現在の指針や自治体が策定する地域防災計画で対応できると述べたということです。どういうのが大幅な見直しで、小幅な見直しがどういうものかというのもあると思うんですけれども、やっぱり私は、大幅な見直しが必要だというふうに思います。そういう中で、やはり最終的にはですね、この避難計画については、規制委員会、国は助言にとどまっているわけで、責任をですね、県や市町村に、この避難計画の責任を執らせているということがありますので、やはりここもですね、国がやっぱり責任を持つ、深層防護の第5層もですね、国が責任を持つべきであるということを申し上げて、私の質問を終わりたいというふうに思います。